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立元 貴

内科医・医学博士

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長生きというリスク

2016-12-27更新
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2015年8月から、収入のある一部の高齢者では、介護保険の自己負担が2割に引き上げられた。

2017年8月からは、介護保険のサービス利用料金の上限が引き上げられる。

上限額までは支払う必要があるので、実質的には負担が増えることになる。

さらに、2018年8月からは、一部の高齢者の負担は3割まで増えることが決まった。

 

介護保険の料金も、これまでは加入者の頭割りだったが、

加入者の総報酬が大きいほど負担が増える「総報酬割」という制度が導入される。

収入の多い大企業のサラリーマンや公務員など、約1300万人の負担が増えることになる。

 

外来でも、入院でも、患者さんの高齢化がすすんでいることを肌で感じている。

90歳超えの患者さんなど、大して珍しくもなくなった。

生活保護を受ける高齢者も増えている。

 

厚生労働省の調査では、

生活保護を受給する世帯のうち、65歳以上の高齢者を中心とする世帯が平成28年3月時点で過去最多の82万6656世帯に上り、

初めて受給世帯の半数を超えた。そのうち9割が単身世帯だ。

 

介護保険の負担が増えれば、さらに、生活保護の高齢者が増えるだろう。

そもそも、労働収入がなくなってから30年以上も所得を維持できる人など、そういる訳がない。

貯金にも、国債にも利息がつかない時代だ。

 

介護も医療も、制度が破綻している。

じわじわと増える負担、先の見えない不安を抱えて、国も国民も老化していく日本では、長生きはリスクなのか。


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