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立元 貴

内科医・医学博士

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胃がん

2017-07-18更新
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胃がんによる死亡数は、肺、大腸に次いで第3位(男2位、女3位)、

患者数は大腸に次いで第2位(男1位、女3位)で、日本人に多く見られるがんです。

胃の構造

stomachanatomy.gif胃は構造上、食道と胃の境界(噴門:ふんもん)、入り口部分(噴門部:ふんもんぶ)、頭よりの部分(底部:ていぶ)、中央部分(体部:たいぶ)、胃が折れ曲がる場所(胃角:いかく)、十二指腸への出口部分(幽門:ゆうもん)、十二指腸への出口(幽門:ゆうもん)に分けられます。

 

胃の壁は5つの層に分かれ、一番内側の表面に最も近い層が粘膜、粘膜は粘膜筋板で裏打ちされ、粘膜下組織をはさんで、胃を動かす筋肉である固有筋層、漿膜下組織をはさんで、一番外側を漿膜という薄い膜が覆っています。

 

gastricwall.gif

 

胃がんの原因

・慢性胃炎

・塩分の多い食事(生野菜や果物を多く食べると、胃がんが少なくなる)

・喫煙

・ヘリコバクター・ピロリ菌の感染

 

診断

自覚症状

症状がないことも多い。

がんに伴う胃潰瘍の症状(腹痛、胃の不快感)で見つかることがある。

進行すると、食欲不振、貧血、体重減少などの症状がでてきます。

 

検査

1.X線造影検査(胃透視):がんの広がりの全体像を描出できる利点をもちます。

2.内視鏡検査:早期がんの発見に必須の検査です。生検(組織検査)によって、腫瘍の良・悪性の判定を行います。

3.CT・MRI検査:体の断面をみる検査(断層写真)です。主として転移の診断に使われます。

4.組織検査:約20%の症例でHER2遺伝子の過剰発現がみられ、抗HER2療法の適応を判断するためにHER2検査を行います。。

 

治療

病期(がんの進行段階)によって治療法が分かれます。

がんは粘膜から外側に向かって深く広がるほど転移しやすくなり、進行した状態と考えられます。

胃の周囲のリンパ節転移の程度とあわせて、病期が決まります。

がんの広がりが粘膜下層まででリンパ節などへの転移がないのものを、早期がんといいます。

 

Stage分類:胃癌取扱い規約(第14版、2010)

転移リンパ節

なし

転移リンパ節

1-2個

転移リンパ節

3-6個

転移リンパ節

7個以上

離れた臓器への転移あり
T1

(粘膜また粘膜下層まで)

ⅠA ⅠB ⅡA ⅡB
T2

(胃の筋層まで)

ⅠB ⅡA ⅡB ⅢA
T3
(漿膜下層まで)
ⅡA ⅡB ⅢA ⅢB
T4a
(漿膜へ浸潤)
ⅡB ⅢA ⅢB ⅢC
T4b
(隣接する臓器へ広がる)
ⅢB ⅢB ⅢC ⅢC

 

進行度別にみた治療法の選択

胃がん治療の基本は手術です。

Ⅳ期の進行したがんは、手術による完全な治癒は難しく、化学療法や放射線治療が行われます。

手術治療

①開腹または腹腔鏡下に、がんのできた部位に応じて、胃部分切除または胃全摘+リンパ節郭清を行います。

②内視鏡治療:内視鏡(胃カメラ)を使って、がんを切除します。

リンパ節転移の可能性が少ない、小さな早期がんが適応となります。

切除後に再発することもあり、定期的な内視鏡検査を行う必要があります。

 

化学療法

①切除不能・再発症例

HER2というタンパク質は、胃がんの増殖に関わっています。

組織検査でHER2が陽性の場合には、抗HER2療法(トラスツズマブ)を併用した抗癌剤治療が推奨されています。

HER2陰性の場合は、S-1、カペシタビン、ドセタキセルまたはパクリタキセル、イリノテカンなどの抗がん剤が、単独または併用投与されています。

 

②術後補助化学療法

stage II または stage IIIではS1(内服薬)を術後1年間投与すること、が推奨されています。

 

胃がん手術後の5年生存率(全国がんセンター協議会)

病期
98.1
66.4
47.3
7.3

 

 

参考

国立がん研究センター がん情報サービス

http://ganjoho.jp/public/index.html(2017.7.6閲覧)

全国がん(成人病)センター協議会HP(2017.7.6閲覧)

http://www.zengankyo.ncc.go.jp/index.html

胃癌治療ガイドライン 医師用 2014年5月改訂【第4版】日本胃癌学会編

http://www.jgca.jp/guideline/fourth/index.html

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