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立元 貴

内科医・医学博士

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脳血管障害

2010-03-10更新
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脳血管障害とは

脳の血管がつまったり、血管が破れて出血することによって、脳の組織が障害をうける病気を総称して、脳血管障害といいます。脳卒中は、脳血管障害と同じ意味で使われます。卒中はもともと突然倒れるという意味ですが、脳血管障害によっておきる病気を総称して脳卒中とよんでいます。

脳血管障害は、がん、心臓病についで日本人の死亡原因の第3位です。年間13万人が脳血管障害によって死亡しています。脳血管障害が原因で入院または通院中の患者は150万人にのぼり、寝たきりの人の40%が脳血管障害によるものです。

脳血管障害が起きやすくなる危険因子には、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、飲酒、肥満、ストレスなどがあります。

脳血管障害には、

  • 脳の血管がつまる「脳梗塞」
  • 脳の中の血管が破れる「脳出血」
  • 脳の表面を流れる血管のこぶ(動脈瘤)が破れる「くも膜下出血」

があります。

さらに詳しく

脳梗塞は脳の血管のつまり方によって、次の3つにわかれます。

・ アテローム血栓性梗塞 = 脳の太い血管の壁にコレステロールがたまり、そこに血のかたまり(血栓)ができてつまる。
・ ラクナ梗塞 = 脳の細い血管が高血圧などによって動脈硬化をおこしてつまる。
・ 心原性脳塞栓 = 心臓にできた血栓が不整脈などによって流れ出して、脳の血管につまる。

症状

手足を動かす、話す、見るなどの脳の機能は、脳の中でそれぞれ決まった場所にまとめられています。脳の一部に血液が流れなくなると、脳の機能が低下して、いろいろな神経症状があらわれます。

  • 手や足に力が入らない、麻痺がある
  • 言葉がしゃべりにくい、ろれつが回らない
  • 頭痛
  • 悪心・嘔吐
  • めまい
  • 痙攣

治療

発作が起きてからできるだけ早く治療を行い、血液の流れを改善する必要があります。

  1. 急性期(発作から2~3週間以内)
    病気の状態に応じて、
    血液の固まりを溶かす薬、血液の流れをよくする薬、脳を保護する薬、脳のむくみを抑える薬などを使います。手術が必要になることもあります。
    後遺症を少しでも減らすために、早い段階から体を動かす訓練(リハビリテーション)を開始します。
  2. 慢性期
    再発を予防するための治療を行います。
    血液をさらさらにして血の固まりができるのを抑える、アスピリンやワーファリンは脳梗塞の予防に有効です。
    リハビリテーションが可能な病院で、歩行や身の回りの動作を行えるようにする訓練を行います。退院してからも施設や自宅で引き続きリハビリを続けます。

予防

再発を予防するためには、脳卒中の危険因子を治療する必要があります。

  1. 高血圧:脳血管障害の最大の危険因子は、高血圧です。血圧が高いほど脳血管障害がおきやすくなり、高血圧の治療によって脳血管障害のリスクは明らかに低下します。
  2. 糖尿病:糖尿病患者の脳梗塞の発症率は、正常と比較して男性で3.3倍、女性で5.5倍高いといわれています(Framingham研究)。
  3. 高脂血症:最近、高脂血症と関連が強いアテローム血栓性脳梗塞が増加しているため、脳血管障害の予防における高脂血症の治療が重要性を増しています。
  4. 喫煙:喫煙によって脳血管障害の発症は男では2.2倍、女では2.2倍増加し、1日40本以上は10本以下の2倍に増加します。禁煙した人の脳血管障害のリスクは禁煙後2年以内に急速に減少し、5年以内に非喫煙者と同じレベルになります(Framingham研究)。
  5. 心房細動:心房細動があれば脳血管障害の発症は5.6倍増加します。
  6. アルコールの多飲:とくに高血圧の人は、日本酒にして1合/日以内にしましょう。

参考

脳卒中ナビゲーター メディカルレビュー社 2002
脳血管障害の臨床 日本医師会雑誌 2001

 


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