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立元 貴

内科医・医学博士

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認知症は、進行する病気だという認識が必要

2015-04-16更新
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認知症というと、ただ、頭がぼけている状態と思われがちだ。

進行しても、環境を変えれば良くなるのではないか。

リハビリすれば、また、元通りになるのではないか。

と、思っている患者さんの家族が多い。

しかし、それは、誤った認識だ。

 

認知症は、家の中に閉じこもり、寝込みがちになり、寝たきりになっていく。

ものを飲みこむ力が落ちて、食事が胃ではなく、肺に入ってしまう。

これを、誤嚥(ごえん)という。

誤嚥が起きると、肺炎を起こす。

 

誤嚥による肺炎は、急に起こり、重症化することが多い。抗生剤を投与しても、治りにくい。

何度もくり返すことが多く、抗生剤が効かない「耐性菌」による肺炎を起こすと、いよいよ、治療法がなくなる。

こうして、次第に衰弱し、死亡する。

 

これが、認知症の経過であり、避けることができない。

この経過には、個人差があり、数年のこともあれば、十数年ということもある。

一般に、早くから認知症になった方の進行はゆるやかで、高齢になってからの発病では、1−2年ということもある。

 

しかし、患者さんのご家族には、認知症という病気が死に至る病気だとわかっていないことが多い。

認知症の病像を理解しないと、

「なぜ、認知症で死ぬのか? 病院や施設のケアが悪いから、誤嚥を起こしたのではないか?」

という不信感が、強い不満につながる。

 

認知症の介護をするご家族には、進行する病気であるということを理解してもらい、

早くから介護サービスを使って欲しい。

確かに、認知症の薬は、最近、いくつかの新薬が発売されているが、

いずれも、進行遅らせる効果しかなく、治す薬はない。

介護サービスをうまく使って、心に刺激を与え、リハビリを続けることは、薬と同じくらい大事な治療だ。


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