イギリスに負ける日

2年ほど前、私の外来にイギリスから一時帰国中の男性がやってきた。

皮膚炎のくすりが欲しいが、イギリスでは診察を受けるのに3ヶ月以上も待たされるので、帰国中に診察を受けにやってきたという。

一般の内科でも治療できる湿疹だったので軟膏を処方したが、えらく感謝された。

 

イギリスの医療費はGDPの7.3%で、先進7カ国で最低である。

日本は7.6%で第6位。

しかし、イギリスでは医療費を削りすぎた結果、長期間予約待ちをしなくてはならなくなった。

たとえば、熱がでて開業医の診察を受けるまでに、約5日。

エコー検査を受けるのに、8週間待ち。

手術を1年半待つ人もいるらしい。

イギリスは医療費削減の結果、医療の荒廃がおこり、その反省から2000年以降、医療費を増やしている。

日本は医療費の削減に拍車をかけているので、おそらく2-3年のうちにイギリスに抜かれて、先進7カ国で最下位になるだろう。

イギリスは、医療コストは安いが、医療機関へのアクセスが制限され、医療の質も低下した。

今の日本は、だれでも好きな病院にかかることができる(フリーアクセス)、他の先進国と比べればコストも安い。

医療の質はアメリカに落ちるが、イギリスよりはまし。

アクセス、コスト、質のすべてを満足させる医療制度は、どんな国にもない。

ユニクロは1000円の服としてはすばらしいが、もうユニクロでは満足できない人が増えている。

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3 件のコメント

  • また拝見させていただいております。
    >長期間予約待ちをしなくてはならなくなった。
    これはどのようにして起こった現象ですか?イギリスは医療費削減のために病院数が減ってしまったということでしょうか。

  • たまきさん、コメントありがとうございます。
    イギリスは政策として、医療機関の数、医師の数を減らして、医療費を削減してきました。その結果、異常な予約待ちが起きたようです。
    現在は、この反省から医療費を増加させる政策に転じているようですが、イギリス経済の回復も背景にはあるようです。

  • そうだったのですか。日本もそうならなければ良いのですが、不安ですね。このまま行くと倒産する医療機関が多いのも現状ですし・・・。なんとか現状維持にとどまって欲しいものです。コメント有難うございました。

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