腹水濾過再静注法について

がんがおなかの中に広がると水(腹水)がたまってくることがあります。これを癌性腹膜炎といいます。腹水がたまって、おなかが張る、息苦しいなどの症状が強くなると、症状を改善するために腹水を抜かざるを得ないことがあります。ただし、この方法はあまりすすめられる治療ではありません。数日でまた腹水がたまってきますし、腹水には高濃度のタンパク質や電解質が含まれているため、水を抜くことで全身状態を悪化させることもあるからです。
腹水濾過再静注法とは、患者の腹水をとりだし、それを濾過および濃縮して、静脈から再注入する方法です。腹水中のがん細胞や細菌はフィルターによって除去され、タンパク質は失われることなく体内に戻されますので、単に腹水を抜いて捨ててしまうより、患者さんの栄養状態の低下を防ぐことができます。
この治療法は保険でも認められている治療法なのですが、もともと肝硬変の腹水を治療するために開発されたもので、がんによる腹水の治療に使っている施設は少ないのが現状です。この治療ができる病院についての情報も把握してはいません。個別のおたずねにもできるだけお答えしていますが、この治療は症状を緩和させるためのひとつのオプションであることをご理解ください。

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3 件のコメント

  • はじめまして。調べているうちにここのページにたどり着きました。現在私の姉(45歳)が4年前に発症した卵巣がんと戦っております。当時は3期まで進んでおり、腹膜播種、腸へ転移。約4ヶ月抗がん剤投与で癌を小さくし、卵巣・子宮・リンパ・腸の一部を摘出し、人工肛門となりましたが、何とか退院。半年後に脳への転移。手術後、放射線治療し、約3ヶ月で退院。その後はマーカー上昇毎に抗がん剤の投与。が、だんだん血小板の値が悪化、治療の間隔が長くなってしまう事が続きました。10月下旬、突然の腹痛と吐き気に襲われ、担当の先生はそれほど気にせず、先々週に抗がん剤の治療。ところが、どんどんとお腹が膨れてきて先週日曜日に入院。癌はお腹にあり、腹水がたまって苦しくて物も食べられず、便も尿の出も悪いようです。腹水濾過再静注法の事を聞いてみると、出来ない事はないが、がん細胞までは取りきれないと言われたそうです。本当にそうなのでしょうか?フィルターでガン細胞を取り除いたものを再注入するのですよね?現在腹水は推定8リットルで、1日1リットルを抜く程度。とても苦しそうです。いかが思われますか?

  • みにじみーさん、お返事が遅くなりました。腹水濾過再静注法は、卵巣癌患者さんの腹水には試して良い治療だと思います。原理的には適切なフィルターを使えばがん細胞の混入はないはずです。ただ、根本的な治療ではありませんので、腹水除去後もしだいに再貯留するでしょうから、繰り返し行う必要があるでしょう。主治医の先生の総合的な判断に反抗する気持ちはありませんが、患者さんの症状が少しでも緩和できる可能性があるなら、試す価値はあると思います。

  • 医知場さん、適切なアドバイスありがとうございました。医知場さんのお陰で、もう一度先生にお願いしてみる勇気が沸いて来ました。姉は今日、具合が悪いながらも抗がん剤の治療を行いましたが、同じ薬なので、効果が出るかはまだ分かりません。
    腹水との戦いはこれからも続くかもしれないので、本人の苦しみを取るためにぜひ、お願いしてみます。
    本当にありがとうございました。

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