破傷風(はしょうふう)

破傷風とは

破傷風菌は、芽胞(胞子)の形でどこの土の中にも潜んでいます。傷口から体の中に入ると、発芽し、増殖して、破傷風毒素をつくります。この毒素は、神経の働きを抑えて、筋肉をこわばらせ、けいれんを起こします。

庭いじりなどで傷に気がつかないこともあり、10-30%は外傷がよくわかりません。

破傷風菌は、ヒトからヒトへの感染はありません。

日本では、毎年40-50人の患者が報告され、死亡率は30-40%です。(破傷風は、診断した医師が保健所に報告する必要があります。)

世界的には年間100-200万人が感染し、そのほとんどが途上国の新生児です。日本では、1995年以降、新生児の破傷風は報告されていません。

先進国では半数以上が60歳以上で、ワクチンが接種されていなかったり、免疫が切れていたりする場合です。

症状

3-21日の潜伏期の後に、4段階の特徴的な症状があらわれます。

1期:
肩こり、舌のもつれ、顔がゆがむという症状で始まり、口を開けにくくなり、食べにくくなっていきます。

2期:
口を開けにくい症状はしだいに強くなり、顔面筋の緊張や硬直による「ひきつり笑い」の顔つきになり、破傷風顔貌といわれます。全身の筋肉が硬直して、歩いたり、立ち上がることや、ものを飲みこんだり、言葉を話すことも難しくなります。

3期:
発作的に全身にけいれんを起こします。意識は、はっきりしています。

4期:
けいれんが収まりますが、筋肉の硬直は長く持続します。症状は、徐々に軽快していきます。

治療

まず、傷の洗浄や消毒を行い、できるだけ早く、破傷風ヒト免疫グロブリンを投与することが大事です。

破傷風ヒト免疫グロブリンは、破傷風毒素を中和して解毒しますが、いったん組織に結合した毒素を中和することができないため、できるだけ早く投与する必要があります。

ヒトからヒトへの感染はないので、感染した患者から他人が感染することはありません。

破傷風トキソイドワクチンを接種することで、感染を予防することができます。

また、事故などで破傷風になるおそれがあるときは、破傷風トキソイドワクチンや、破傷風ヒト免疫グロブリンを予防的に投与することがあります。

 

参考

感染症の診断・治療ガイドライン2004 日本医師会雑誌臨時増刊号 132(12) 2004.

国立感染症研究所 感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html

 
 
 
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