保険病名

医療機関では、患者の診断名や検査、治療の内容、料金をまとめた明細書をつくります。この診療報酬明細書をレセプトといいます。レセプトに書かれる病名を、保険病名といいます。

医療機関では一ヶ月ごとにレセプトを集計して、審査支払い機関に提出し、ここで医療機関が請求した金額が妥当かどうかを審査します。

この審査で、料金の内容と、レセプトの保険病名が一致しないと、不適当な料金の請求をしているということで査定され、医療機関に支払われる料金が減額されます。

ところが、保険病名は、必ずしも、正確な本当の病名ではないのです。検査や薬によって、必要な保険病名が決められているからです。

たとえば、ある胃薬は、胃炎という病名では使えず、胃潰瘍でしか使えないとか。高脂血症ではだめで、高コレステロール血症でないと使えない薬があったり。弁膜症とか、○○癌疑い、と病名をつけないとできない検査があったりします。

これは、医療機関がウソをついて、料金を請求しようとしてるわけではありません。この検査にはこの病名、この薬にはこの病名という決まりがあるので、それに従って、保険病名をつける必要があるからです。

医師としては、患者に必要な検査や治療をしても、保険病名が査定のルールから外れてしまうと、料金が支払われなくなるので、つじつまをあわせざるを得ないのです。

患者さんが自分のカルテに身に覚えのない病名が並んでいるのをみて、いぶかしく思われているかも知れません。

それは、日本の保険診療が、病名と診療内容を必ず一致させるという決まりがあるからです。患者さんに必要な検査や治療を保険審査に通すために、それにあった病名をつけるという、本末転倒なことが行われています。

医療費削減の流れのなかで、保険審査が厳しくなる傾向にあります。とにかく、請求金額を減らしたい審査機関と、満額を勝ち取りたい医療機関とのせめぎ合いが続いています。
 

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