夏目漱石の「こころ」

娘の文庫本を借りて、夏目漱石の「こころ」を読んだ。自分が高校生の頃に読んだ本だから、大学をでて、医者になって、結婚して、子どもが高校生になるくらいの時間が過ぎている。

「こころ」のあらすじは、こんなものだ。

大学の卒業を前にした「私」は、鎌倉でであった「先生」にひかれ、東京に帰ってからも足しげく通うようになった。「先生」は仕事はせず、妻と二人で静かに暮らしていた。

大学を卒業した「私」が、危篤の父親を看病に郷里に帰っていると、「先生」からの遺書が届いた。そこには、親友の「K」と経緯が書かれていた。

「先生」は、下宿屋の娘に恋していた。やがて、親友の「K」も同じ下宿で暮らすようになるが、「K」も同じ人を好きになってしまった。「K」から恋愛の相談を受けた「先生」は、「K」には勉学のために恋愛をあきらめろといいながら、娘の母親に結婚を申し込む。数日後、「K」は下宿で自殺した。

「先生」は、下宿屋の娘と結婚した後も、親友を裏切った自分を責めながら暮らしていたが、「私」にだけ気持ちを打ち明けた遺書を残して、自殺した。

作品の後半の「先生」の遺書では、延々、言い訳というか、自分勝手な思い込みともいえるような、感情が吐露されている。

「先生」は、叔父にだまされて財産が減り、それ以来、人間不信になったと嘆いている。

「先生」は一度も働いたことがなく、家に引きこもっている。

そして、最後は自殺している。

文学としてはすばらしいが、「先生」の「こころ」は病んでいる。つまり、作者の「こころ」も病んでいたのだということが、今頃、わかった。

 

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