胃ろうを作るということ

胃に穴を開けて、体の外からチューブで胃の中に栄養剤を流し込むようにすることを、胃ろう、という。

胃ろうは、たいていは、胃カメラを使って、胃の中から皮膚の外へワイヤーを通して作るので、感染症や出血などの危険は伴う。

胃の中に流し込む栄養剤は、点滴より栄養のバランスがとれているので、栄養状態の改善には適している。

脳卒中などで意識ははっきりして意志の疎通はできるが、物を飲み込むことができない場合や、手術などで口から食べることができなくなった場合は、胃ろうの良い適応になる。

最近、認知症で食事ができなくなった人に、胃ろうを作るケースが増えている。

認知症で食事ができなくなるのは、病気の進行によるもので、認知症の終末像である。

認知症が進行して、しゃべることもなく、意志の疎通もできずに寝たきりの患者さんに、胃ろうを作って栄養剤を毎日流し込むことが、医療として妥当なことなのか。

認知症の患者さんに胃ろうを作るときは、本人にはすでに判断することはできないので、家族と相談することになる。

しかし、自分がそうなったときは胃ろうを作りたくないと思っている家族も、自分の親には、胃ろうを作らずに自然な最期を迎えさせることは、難しい決断になる。

遺言のひとつとして、延命治療はしない、とか、胃ろうは作らない、とか、本人の意思を形にして残して置いてくれたら、家族も思い悩まずにすむのにと思う。

胃ろうを作って、栄養剤を流し込んで、ただ生かせるだけの行為が、医療なのだろうか。

高齢化社会のなかで、みんなで、考えなくてはいけない問題だと感じている。

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