早期の緩和ケアは、転移のある肺がん患者に有効である

New England Journal of Medicine 2010年8月19日号。ボストンのマサチューセッツ総合病院の報告。

転移のある非小細胞肺がんの患者に、診断から早期に緩和ケアに導入した場合、標準の治療をしている同じがん患者より、QOLが高く、うつ傾向が低かった。また、早期に緩和ケアに導入した患者の方が、標準治療の患者より、平均生存期間が長かった(早期の緩和ケア 11.6ヶ月、標準治療 8.9ヶ月)。

転移のある肺がん患者は、化学療法を行っても治癒する見込みは少ない。化学療法を行いながら、抗がん剤が効かなくなり、体力が弱ってから、緩和ケアが行われているのが現状である。

治療と並行して、早期からこころのケアを行うことで、終末期の苦痛を抑えることができる。それによって、患者の命は3ヶ月近く延びることができる。

すばらしい事実である。

新しい抗がん剤でも、3か月延命できる薬はそうはない。

しかし、日本の場合、外来で緩和ケアを行う独立した科をもつ病院は少ない。心身のケアは、時間も手間もかかり、スタッフの数も必要だが、保険からはお金がでない。

緩和ケア病棟という入院施設にしか、お金がでないので、体力が落ちて、入院するのが緩和ケアになってしまっている。

緩和ケアを単なる箱物だけでなく、実のある物に変えていく必要があると痛感した論文だった。
 

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