アメリカ版尊厳死、医療についての事前指示

アメリカでは、最期の医療についても、患者本人の意志が尊重されています。

そのために、判断能力のあるうちに、終末期医療の方法について、事前に書類で指示をすることができます。

これは、事前指示書(advance directive)といわれ、法律上の効力をもっています。

 

医療についての事前指示は、大きく2つに分かれています。

ひとつは、リビングウィル(生前遺言)で、

不治かつ末期になったときに、死を引き延ばすだけの延命措置をやめてもらうように指示しておくことです。

たとえば、人工呼吸器や透析の使用、蘇生のための心マッサージ、点滴や胃ろうからの栄養補給などを拒否するという指示を、書面に書き残します。

 

もうひとつは、自分の代わりに判断をする代理人を指名するために委任状です。

英語では、durable power of attorney for healthcareといい、

正確に訳せば、医療に関する永続的な委任状となります。

代理人は、自分で意志決定できなくなったときに、患者本人が信頼して医療行為の決定を任せる人です。

アメリカのNPOがつくる5 Wishesという冊子には、よりわかりやすい事前指示のフォームがあります。

 

日本では、自分の末期医療について患者本人が事前に書類を準備していることは、きわめてまれです。

もし、書類があっても、法律としての効力がありません。

たとえば、患者本人のリビングウィルに従って延命処置をしなかった場合、

患者家族の考えと異なれば、医療者は訴えられる可能性があるということになります。

さらに、最終的な意志決定をする代理人も決められていることは、まず、ありませんので、

ご家族のなかでも意見がまとまらずに、混乱してしまうこともあります。

 

事前指示書は、理解できる人が、理解して準備するのならば、尊重されるべきだと考えます。

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