ポルスト(POLST)、患者と医師が相談して決める最期

以前、アメリカの事前指示書について、紹介しました。

これは、患者さんが、自分の終末期の医療について、事前に指示をだしておく書類です。

延命処置をやめてほしいとか、最終判断の代理人を決めておくことができます。

しかし、いざというときに、この書類がどこにあるかわからなくなったり、

内容があいまいだったりして、アメリカでも普及が頭打ちになっているようです。

 

そのかわりに、最近、アメリカで採用されているのが、POLST(ポルスト)です。

ポルストは、主治医が、患者自身から、終末期の治療に対する希望を聞き取って保管しておく書類です。

POLSTは、Physician Orders for Life-Sustaining Treatmentの略で、

生命維持治療のための医師指示書という意味になります。

 

たとえば、以前、紹介した「5つの願い」は、患者さんが自分で準備する指示書でした。

5つの願いとの違いは、ポルストが、医師からの指示であることです。

 

ポルストの書式自体は、選択肢をチェックするだけの非常に簡単なものになっています。

ポルストは、4つのパートから構成され、

A. 心肺蘇生(CPR):脈拍がなく、呼吸が停止している状態で、蘇生術をするかどうか

B. 医学的処置:症状を和らげる処置だけを行うか、病院に搬送して集中的な治療を行うか

C. 抗生剤:抗生剤を使用するか

D. 人工的栄養剤:胃にチューブをいれて栄養剤を長期間投与するか

こうした内容を、医師と患者、または患者の代理人と相談して決め、指示書として保管しておくのです。

もちろん、一度だした指示は、患者さんの意志でいつでも変えることができます。

 

日本では、こうした判断を先延ばしにして、

結局は、患者さんの状態が悪化して自分では決められなくなってしまいます。

家族も、患者の意志が確認できていなければ、何もしないという判断はしにくいのが心情です。

日本人は、何となくわかってほしい、あうんの気持ちを大事にします。

高齢者に、最期はどうしますかと切りだすのは難しいでしょう。

しかし、高齢化がすすみ、たくさんの人が亡くなる時代には、

納得のいく最期を迎えるという知恵も必要だと思います。

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