よくわかる診療報酬2018−外来の料金

料金の計算方法は外来と入院で大きく違いますから、まず外来で診察をうけたときの料金から説明します。

外来の料金は、医者の診察料に検査や治療、くすりの代金を加えたものと考えてください。

これから順番にお話ししていきましょう。

「料金は基本料金とオプションの合計」という公式はいつも頭のなかにおいて下さい。これが診療報酬をわかりやすく理解するための、基本になる考え方です。

外来の料金=診察料(1)+検査・治療(2)+くすり(3)

診察料

診察料は、医者が患者を診察したことに対する料金です。診察の料金も、基本料金とオプションの部分に分けられます。診察料の基本料金を基本診療料(きほんしんりょうりょう)といい、オプションに相当するものが指導管理料(しどうかんりりょう)です。

基本診療料はレストランやバーのチャージ料に近いものです。とにかく、医者の診察を受けたことに対する料金で、診察の内容に関わらずに必要になります。

病院や診療所で初めて診察をうけたときの診察料を、初診料(しょしんりょう)といいます。
同じ病気で2回目以降に診察をうけたときの診察料を、再診料(さいしんりょう)といいます。

・診察料=基本診療料(基本料)+指導管理料(オプション)

・基本診療料=初診料(1回目の診察)または再診料(2回目以降の診察)

 

初診料と再診料について、もう少しくわしくみていきましょう。

病院と診療所の初診料は、同額の282点です。

1点=10円ですから、実際の料金はこれを10倍して2820円です。内科でも、外科でも、整形外科でも、眼科でも、耳鼻科でも、泌尿器科でも、皮膚科でも、とにかくどんな病気でも、診療所や病院で最初に診察を受けたときの料金は282点です。営業時間外や休日、夜中に診察を受けたとき、また乳幼児や妊婦が診察をうけたときは、加算という割増料金が上乗せされます。

初診料 点数
診療所・病院 282

初診料の加算

【時間内】
乳幼児加算(6歳未満)+75点
妊婦加算 +75点
夜間。早朝等加算(診療所のみ) +50点

【時間外】
時間外加算、6歳以上 +85点;6歳未満・妊婦 +200点
休日加算、6歳以上 +250点;6歳未満・妊婦 +365点
深夜加算、6歳以上 +480点;6歳未満・妊婦 +695点

 

同じ病気で2回目以降に診察をうけたときの料金が再診料です。

診療所と中小病院の再診料は72点、200床以上の大病院は73点です。

再診料 点数
診療所 72
病院200床未満
病院200床以上 73

再診料の加算

【時間内】
乳幼児加算(6歳未満)+38点
妊婦加算 +38点
夜間。早朝等加算(診療所のみ) +50点

【時間外】
時間外加算、6歳以上 +65点;6歳未満・妊婦 +135点
休日加算、6歳以上 +190点;6歳未満・妊婦 +260点
深夜加算、6歳以上 +420点;6歳未満・妊婦 +590点

 

病院で診察を受ける人には、1日で、いくつもの科を回る人がいます。たとえば、眼科で白内障、内科で糖尿病、整形外科で腰痛といった具合です。同じ病院で、一度に複数の科を受診したときは、再診料に36点が加算されます。

・同一日の2科目目の再診料=36点

 

再診料には、外来管理加算(がいらいかんりかさん)という追加料金52点が上乗せされます。再診料と外来管理加算をあわせた料金が、実質的な再診料金となります。

外来管理加算は、とくに体調に変化のない患者さんを診察したときの料金です。とくに指導の必要な患者さんには、さらに料金がかかります。

・実質の再診料=再診料+外来管理加算

ただし、この公式があてはまるのは診療所と200床未満の中小病院の場合です。200床以上の大病院では、外来管理加算は加算されません。

200床以上の大病院では、再診料は70点のみで、加算料金がありませんので実質の再診料は中小病院よりかなり安くなります。

再診料の加算 外来管理加算
診療所 52
病院200床未満
病院200床以上 0

 

オンライン診療料:70点(月1回)
パソコンやスマートフォンなどでビデオ通話を行い、診察を行った場合の料金として新設されました。ただし、オンライン診察は、通常の診療を補うために使われることを目的としていますので、オンラインだけで診療を行うことはできません。また、オンライン診察を受けている患者さんが、医療機関を再診して指導を受けたときは、オンライン医学管理料が加算されます。
オンライン医学管理料:100点(再診時、月1回)

 

ここまでは、診察料金の基本料金の部分についてのお話でした。

ここから、診察料金のオプション部分である指導管理料(しどうかんりりょう)の解説をしていきます。
くりかえしますけど、診察料=基本診療料(基本料)+指導管理料(オプション)でしたね。

初診料や再診料は、病気の種類には関係ない一律の基本料金です。指導管理料は病気ごとの診察料金で、それぞれの病気の状態に応じて細かく分かれています。指導管理料は病気ごとの医者の技術料ともいえます。

病気によって診察や治療の内容が違いますから、指導管理料もたくさんの種類がありますので、代表的なものをいくつか説明していきます。

特定疾患療養管理料(とくていしっかんりょうようかんりりょう):特定疾患に指定されている病気で通院している患者さんに、医者がくすりの飲み方や、運動、食事などの指導を行ったときの料金です。

診療所は225点、100床未満の小規模病院は147点、100床以上200床未満の中規模病院は87点となっています。200床以上の大病院ではこの料金はかかりません。また、月に2回を限度に計算されますので、月に2回以上通院して医者の指導を受けても、2回分までの料金になります。

特定疾患は、次のような内科の病気が対象になります。
(結核、がん、甲状腺機能異常、糖尿病、高脂血症、高血圧、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、脳梗塞、慢性気管支炎、喘息、胃・十二指腸潰瘍、慢性肝炎、慢性膵炎など)

一般的な内科の病気である特定疾患で通院している患者さんの、再診料と指導管理料についてまとめてみます。
話を簡単にするために、月に1回ずつ通院しているとしましょう。

実質の再診料 指導管理料 合計
再診料 外来管理加算
診療所 72 52 225 349
100床未満 72 147 271
100 -199床 72 87 211
200床以上 73 0 0 73

 

いかがでしょう。おなじ患者さんを診察しても、大病院では730円で、診療所では3490円です。

これは診療所の料金が高く設定されているというよりは、大病院の料金が驚くほど低く設定されているのです。これでは、大病院が患者さんをたくさん外来で診察しても収入にならないどころか、赤字になってしまいます。

患者が紹介状を持たずに400床以上の大病院を受診したときは、初診時5000円以上、再診時2500円以上の徴収が義務づけられています。

大病院の外来に極端に不利な料金を設定し、紹介状を持たずに受診する患者に割増料金を払わせることで、大病院の外来患者数を抑える方針です。

こうして、外来の患者さんを大病院から診療所へ振り分け、大きい病院は入院している患者さんの治療に専念し、外来で治療が可能な比較的軽い病気は診療所が受け持つという、医療機関の機能分担という方針が強く打ち出されています。

これは1つの例ですが、厚生労働省は診療報酬を操作することで、日本の医療の舵取りをしています。診療報酬が減る医療はするな、診療報酬が増えている方向に進みなさいということです。それが正しい方向なのかを国民全体で監視する必要があるのですが、診療報酬が不透明なことが議論を妨げていると感じています。

話がながくなりました。もうすこし、指導管理料の話を続けましょう。

ニコチン依存症管理料:初回230点、2-4回184点、5回目180点
ニコチン依存症の患者に、禁煙指導をおこなったときの料金です。

特定薬剤治療管理料:470点(月1回)
心臓や喘息などの特別なくすり(ジギタリス、ネオフィリンなど)を飲んでいる患者さんに副作用が出ないように、血液中のくすりの濃度を測定したときの料金です。

生活習慣病管理料:(月1回)
高脂血症、高血圧、糖尿病の患者さんに対して、長期的な計画をたて、それに基づいて運動や食事療法を指導したときの料金です。一部の検査やくすりの料金はこの料金の中に含まれます。

院外処方せん 院内投薬
脂質異常症(高脂血症) 650 1175
高血圧 700 1035
糖尿病 800 1280

 

悪性腫瘍特異物質治療管理料:1項目360点、2項目以上400点(月1回)
悪性腫瘍の患者に、腫瘍マーカーの検査を行い、治療や指導をしたとき

難病外来指導料:270点(月1回)
治療が難しく、重症になる病気(ベーチェット病、多発性硬化症、重症筋無力症など)が”難病”として指定されています。難病外来指導料は、こうした難病患者さんの生活指導を外来で行ったときの料金です。

外来栄養食事指導料:初回 260点(月に2回まで)、2回目以降 200点(月に1回)
管理栄養士が医師の指示に基づき具体的な献立等の指導を行ったとき

慢性疼痛疾患管理料:130点(月1回)
膝や腰などの痛みがある患者に、マッサージや器具による治療を行ったときの料金です。

糖尿病合併症管理料:170点(月1回)
糖尿病による足の合併症のリスクが高い患者に、医師または看護師が30分以上かけて指導するときの料金。

診療情報提供料:250点
医療機関(診療所や病院)が、患者のデータや治療状況などを文書にして、別の医療機関に紹介したときの紹介料です。セカンドオピニオンのために患者情報を詳細に記載した文書を作成する場合は、500点です。

がん治療連携指導料:300点
がん治療の拠点となる病院と連携している医療機関が、治療計画にそった治療を行い、その情報を紹介元の拠点病院に報告した場合。

このほかにも、診察の内容に応じて、多くの指導管理料が設定されています。たとえば、認知症や生活習慣病のある患者さんをかかりつけ医として総合的に管理する料金(地域包括診療料)などがあります。

医者の診察に対する料金は、基本料金である初診料や再診料と、指導管理料を合計したもので、この料金が医者の診たてに対する技術料になるのです。

 

在宅医療

自宅や介護施設などで暮らす患者さんを訪問して診察や治療を行うことを、在宅医療といいます。できるだけ自宅で最期まで過ごしたいというニーズは確実に増えています。

国としても、在宅医療をすすめることで入院費を減らして、医療費を削減したいという思惑があり、比較的、手厚い料金が設定されているので、在宅医療に関わる診療所が増えています。

24時間、在宅医療に対応することを届け出ている診療所を、在宅療養支援診療所といいます。在宅療養支援診療所は、一般の診療所より高い料金が設定されています。24時間対応の報酬ということです。

よく勘違いされるのですが、往診訪問診療は違います。患者さんからの連絡で予定外に診察に行くことを往診といい、前もって予定を立て、計画的に診察に行くことを訪問診療といいます。

(参考)往診料:750点(緊急+325点、夜間・休日+650点、深夜+1300点)

1ヶ月の訪問診療の料金=

在宅患者訪問診療料×訪問日数+在宅時医学総合管理料(または施設入居時等医学総合管理料)

訪問診療料は1日あたりの料金ですから、訪問した日数分をかけた料金になり、管理料は月に1回の料金になります。訪問診療を行う診療所や病院の体制によって、料金は変わります。

 

訪問診療料

在宅患者訪問診療料1(1日につき)

同一建物居住者以外 833点
同一建物居住者 203点

老人ホームや介護付きマンションなどに住む複数の患者(同一建物居住者)を、同じ日に訪問した場合は、料金が安くなります。

月に1回以上の定期的な訪問診療を行う場合、薬の料金などが込みになった1か月あたりの料金を、総合管理料といいます。自宅の患者は在宅時医学総合管理料、老人ホームなどの施設の入居者は施設入居時等医学総合管理料になります。表は、月に1回訪問診療を行い、院外処方せんを発行する場合の料金です。在宅療養支援診療所(在支診)とそれ以外の診療所では、料金が変わります。常勤医の数を増やすなどして機能強化した在支診では、さらに高い料金が設定されます。

在宅療養支援診療所(在支診)とは、かかりつけの医師や看護師と24時間連絡がつき、往診が可能な体制をとっている診療所です。

 

管理料

在宅時医学総合管理料(月1回、処方せんを交付する場合)

訪問頻度 単一建物の診療患者数 在宅療養支援診療所 その他
月に2回以上 1人 3700点 2750点
2−9人 2000点 1475点
10人以上 1000点 750点
月1回 1人 2300点 1760点
2−9人 1280点 995点
10人以上 680点 560点

 

施設入居時等医学総合管理料(月1回、処方せんを交付する場合)

訪問頻度 単一建物の診療患者数 在宅療養支援診療所 その他
月に2回以上 1人 2600点 1950点
2−9人 1400点 1025点
10人以上 1000点 750点
月1回 1人 1640点 1280点
2−9人 920点 725点
10人以上 680点 560点

 

患者さんの在宅医療をすすめていくためには、訪問看護、訪問リハビリ、訪問薬剤師などの多職種による管理が必要となるため、その料金もそれぞれに必要になります。

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