BPSDは、「Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia」の略で、訳すと、「認知症に伴う行動と心理の症状」ということです。
少し前のことを覚えていない、近所で道に迷う、ものの使い方がわからない、言葉がでない、などの症状は、脳の認知能力の低下そのものによる症状で、中核症状といわれます。
BPSDは、認知力の低下に伴っておこる症状で、中核症状に対して、周辺症状ともいわれます。
BPSDには、妄想、徘徊、興奮、攻撃的な行動、不潔行為、不眠など、多彩な症状があり、介護をする上では、実はBPSDこそが厄介な問題になります。
介護する側の視点から見ると、たとえば、40歳以上の夫婦で両親のどちらかが認知症である確率は約30%、55歳以上では約68%となります。
認知症の本人をいかに治療していくかは、もちろん大事なことですが、いかに介護していくかという視点から、認知症の治療を考えていくことが重要です。
介護する側の教育、心のケア、経済的な支援が必要です。
少子高齢化は、自分を介護してくれる子供はいないのに、親の介護は重くのしかかるということです。
親にしても、子供の人生を犠牲にしたくはないと考えているはずです。しかし、誰かの手助けがなければ生きていけなくなるのが、年をとる、老いるということです。
自分は子供の面倒になりたくないと考えていても、程度の差こそあれ、お世話になる。いずれは、自分もたどりつく道として、介護側も勉強しなければなりません。
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