血液透析を中止するという選択

血液透析を中止する指標として、2014年に日本透析医学会が「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定のプロセスについての提言」をまとめた。

ただし、タイトルからもわかるように、これは提言であって、はっきりと決まったことではないし、法的な裏付けもない。

「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定のプロセスについての提言」では、

1.医療チームは患者に十分な情報を提供し、また、患者から十分な情報を収集し、判断能力のある患者が意思決定を行う過程を共有し、尊重する。

2.患者が自己決定した治療とケアの方針を尊重する。現時点で判断能力がなくなっていても、判断能力があった時期に本人が記した事前指示書が存在するときは、患者が希望した治療とケアの方針を尊重する。

3.維持血液透析の見合わせ(中止)を検討する状況

1)維持血液透析を安全に行うことが困難で、患者の生命を著しく損なう危険性が高い場合

たとえば、多臓器不全や低血圧が持続し、血液透析がかえって生命に危険となる場合や、透析のたびに抑制や鎮静をしなけれが安全に実施できない場合など

2)患者の全身状態が極めて不良であり、なおかつ患者の意思が明示されている場合や家族が患者の意思を推定できる場合

たとえば、脳梗塞の後遺症などで血液透析や療養生活の理解が困難な状態。悪性腫瘍の末期で死が迫っている状態。経口摂取が困難で水分や栄養の点滴から脱することができない状態。

<図> 医療チームが見合わせの方針決定を行うまでのプロセス

患者の自己決定の尊重を基本とし、意思決定能力が失われた患者で、家族が患者の意思を推定し決定できる場合はそれを尊重。患者の意思を推定できない場合は、まず家族と医療チームが十分話し合い、それでも合意形成できない場合には複数の専門家による委員会を設置し、その助言に基づいて合意形成に努める。

<参考>
「維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」
日本透析医学会血液透析療法ガイドライン作成ワーキンググループ
透析非導入と継続中止を検討するサブグループ 2014. 
より一部抜粋し、簡単に表現を書き換えたところがあります。

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