勤務医と開業医

医者には二つしか道がない。病院で働く勤務医、診療所を経営する開業医。もちろん、研究者や企業で働く医者も増えてはきたが、大半の医者はどちらかを選ぶことになる。
かつては、勤務医で経験を積んで、勤務先や実家の近くで開業するというのが、一般的な医者の生き方だった。勤務医で給料が安い分、開業すればそこそこ儲かった。病院からは高齢の医者が自然に減り、中堅の医者にポストが回ってくるので、病院の新陳代謝にもなっていた。
今は、都会での開業は大変な時代だ。どんどん勤務医が開業し競争が激しくなるので、現在の診療報酬の水準では設備投資が回収できない。そもそも、日本の診療所は設備に金が掛かりすぎる。
レントゲン、エコー、胃カメラ、CT、そんなものがある診療所はアメリカにはない。雑居ビルに、受付が一人、待合には簡単なイスが数脚、診察室にはベッドだけ。それがアメリカのクリニックだ。何千万もかけて、きれいなソファに医療機器までそろえ、受付、看護婦の人件費を払って、診察料が千円では成り立つはずがない。
在宅医療を専門にする開業医が増えているが、これは電話一本で開業できるので初期投資を抑えるには効果的だ。でも、流行らないそば屋が出前を始めるのに近いものがある。出前のそば屋が増えれば、まずいそば屋はつぶれるだろう。
じゃあ、お前はどうするのか?
頭の痛い質問だ。
流行らないそば屋は、ラーメン屋でも始めようか。
ところで、うまいそばのレシピを買ってくれる人はいませんか。

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5 件のコメント

  • 初めまして、いつも拝見させて頂いております。日本人が下手なのはスポンサーを見つけるという事ではないでしょうか。開業医!格好いい!でも実態は大変なのですね。私は喘息で毎月一回通院しています。でも通っている開業医の先生は私より年配ですのでご高齢になったとき閉院されたらどうしよう?なんて今から考えたりもしています。医院が残る(私のデータが)なら今から先生が後輩の先生を育てられるのであれば、スポンサーになっても?なんて貧乏人でも考えています。本当に考えさせられます。

  • 勤務医はきつくて、給料が安い。開業医は借金漬けで、仕事がおもしろくない。医者の仕事のあり方そのものを考え直さないといけないと考えてはおりますが、大きな宿題です。

  • 医療崩壊ー地域医療の崩壊は、今国民的な関心になっていると思いますが、わたしの知人の開業医の先生が最近、このテーマで執筆されています。
    この本によると、その崩壊の主な責任は、医療行政の問題にあると指摘しています。つまり、医療費など年間2200億円削減のしわ寄せを、地域の医療現場に押しつけているとのことです。
    このような、一開業の方々を含めて、現場の医療関係者から様々な議論が巻き起こってくることを期待したいところです。
    『医は仁術か算術か―田舎医者モノ申す』(定塚甫著・社会批評社・1500円)
    http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/80-9.htm

  • ほとんどの医者にとって、医は仁術や算術ではなく、職業です。田舎は、勉強する機会も少なくキャリアアップのチャンスもない。若い医者がキャリアアップを求めて都会にこだわるのは当然で、その流れが止まるとは思えないし、強制的に地方への医者の配分をすすめれば、医療の質は低下するでしょう。医療費を増やして開業医の収入が増えても、その生活に魅力がなければ、田舎で医者をやりたいと思う人が増えるでしょうか。

  • 新しいHPの、ランダムエントリーという機能で、以前の記事も見ることができるようになりました。意外といいこと言ってたんだな、と思って眺めています。

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