モルヒネの誤解

1.モルヒネを使うと中毒になるのではないか?
2.モルヒネを早くから使うと、痛みがひどくなったときに効かなくなるのでは?
3.モルヒネを使うようになるということは、死が近いことを意味するのでは?
モルヒネの投与をお話しすると、多くの方がこんな風に考えています。
しかし、それは誤解です。
1.モルヒネを使用しても中毒にはなりません。痛みがおさまれば、モルヒネを中止することができます。
2.モルヒネに極量はありませんので、効果があるまで増量することができます。モルヒネ以外の鎮痛薬を併用することで、鎮痛効果が改善することがあります。副作用対策を十分に行えば、副作用で投与ができないことはまれです。
3. モルヒネは、がんによる痛みをコントロールして、快適な生活を送るため薬です。モルヒネによって命が短くなることはありません。むしろ、痛みをやわらげ睡眠が確保されることで、全身状態の改善に役立ちます。
モルヒネは、痛みを治療するための大事な薬です。使う医者にも、使われる患者さんにも誤解や偏見をもたずにいて欲しいと思います。

>> 医知場 「がんの疼痛管理」

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2 件のコメント

  • 現役医師の生の声がきける”医知場”には本当に感謝しています。というのも、お医者様に聞きたくても聞けないようなことが分かりやすく簡潔に説明してあるからです。現に今回の”モルヒネ”の記事には助けられました。がん患者にとってお医者様は絶対的な存在であり、闘病における先導者であるといえます。お医者様の持つ知識が患者の全てになるといっても決して過言ではないでしょう。そのお医者様の”モルヒネ”に対する知識が不確かなものであれば、患者は不安な状態のまま治療を続けなければならず、”モルヒネ”に対して偏見を抱いてしまいます。もちろん、インフォームドコンセントもうまくいくはずありません。ただ痛みをとるだけでなく知識の正確さによって患者の心の痛み(不安)を取り除くことも大切だと思います。

  • みるきーさん、コメントありがとうございました。私は、癌患者の心と体の痛みをとるためには多くの人間の知恵を結集することが大事だと思います。この考えも、私自身が経験を繰り返し、失敗もして、そう痛切に考えるようになりました。しかし、そのためにはお金もいりますし、お山の大将である医者の理解も必要です。横断的な治療というのは、病院全体でとりくむ問題です。しかし、医療自体が非採算的な事業になっている今の日本では、大局を見てリーダシップを発揮できる管理者はきわめて少ない。理想と現実のギャップを埋めるのは、タフな仕事だと痛感する毎日です。

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