開業は、在宅しかありません

診療所も病院も、料金はすべて国が決める診療報酬という料金表にしたがっている。

国は、診療報酬で、医療の方向を決める。介護病棟を減らしたければ、入院料を下げればいい。診療所の数を減らしたければ、外来の診察料を下げればいい。

医療機関の料金は、すべて国が決めるので、値段の高いところに、経営者はすり寄るしかない。

この料金は、2年ごとにころころ変わるものだから、そのたびに、医療機関の経営者は右往左往することになる。

たとえば、リハビリが儲かるとなると、リハビリの施設に金をかけ、スタッフを増やして対応する。すると、リハビリの施設がそろった頃に、料金が切り下がる。

エサを見せて、はしごを登った後に、はしごをはずされる。そんなことを何度も繰り返して、わかっているが、背に腹はかえられずに、エサに食いついてしまう。

今回の診療報酬の改定では、診療所の診察料が値下げになった。わずか数十円だが、診察料は純粋な収入なので、手取りの実収入が確実に減ることになる。

診療所の医者は収入が多いとか、マスコミを使って世論を操作し、診療報酬を減らす口実を作る。

開業医の収入を減らして、勤務医の待遇改善というが、病院の収入が増えても、従業員の給料が上がるわけではない。もともとが赤字の病院なので、その補填に消えていくだけである。 

今までのように、診療所をかまえて、患者が来るのを待っていても、収入は確実に減るように料金表はできている。

今、唯一、料金が確保されているのは、在宅医療のみと言っていい。24時間体制で往診に対応できる診療所は、まだ、何とかなる。初期投資も少なくてすむし、在宅医療をする医者は、まだ少ない。

すでに、開業している医者も、在宅医療を始めるようになるだろうし、そうしなければ生き残れない。

こうして在宅医療をする診療所が十分に増えたところで、料金を減らす。はしごを外されても、他に取り柄のない診療所は、収入が減るのを我慢する。

こうして、医療費は効率的に減らされるのだが、こんな割の合わない商売に、医者はいつまでも付き合っていられない。すでに診療所の数はピークを越え、減り始めた。まじめにやれば、開業医は儲かる商売ではない。

 

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