看護師のいない介護施設

長妻昭厚生労働相は15日、介護保険の利用者らを集めた意見交換会で介護保険制度を見直す方針を明らかにした。在宅介護を提供する介護職員に、たんの吸引を可能にすることなど必要な項目を盛り込む。有識者を集めて詳細を詰め、来年の通常国会に関連法案を提出する方向で検討する。

たんの吸引は医療行為だが、重い介護状態の人が入る特別養護老人ホームで働く介護職員に認められている。これを一定の研修を受けることなどを条件に、在宅介護の職員にも広げる方向。ただミスをしたときの責任問題など課題も残る。

同日開催した意見交換会は参加者を6つのグループに分け、各グループで課題を挙げて議論。各グループが提言をまとめ発表した。「施設をもっと増やしてほしい」などの要望が出た。(日本経済新聞オンライン 516日)

介護施設には、昼間は看護師がいても、夜はいない。だから、早朝や夜は、看護師が必要な処置ができないことが多い。痰が自力でだせない高齢者は、チューブで吸引して吸い出す必要がある。痰の吸引は、2時間に1度くらいしないといけないので、一晩中の大仕事である。痰の吸引ができない施設では、痰がでる患者は受け入れることができない。だから、病状が悪化して、入院した患者を施設に帰そうとしても、帰れないということがよくある。

他にも、糖尿病がすすんで、インスリン注射が必要になっても、施設では看護師がいないので注射ができないということもある。本来は、資格のある看護師を雇うべきなのだが、雇う金がないし、看護師の数もいない。そこで、介護職員にその処置を肩代わりさせようということになる。

確かにそうすれば、施設の受け入れはよくなるし、患者も助かるのだが、やはり心配である。

介護職員は、素人である。経験はあるかも知れないが、専門的な教育や訓練を受けているわけではない。研修といっても、どこまで質を保てるのか。記事にもあるように、素人がやれば事故がおきるはずで、その責任を施設が負うのだろうか。

病院から、自宅へ、施設へと、介護の場所は変わっている。それは、重症な患者を病院以外で、専門スタッフの管理の外で行うことになる。医療スタッフでない人にどこまでの管理をさせるか、患者の家族にも理解と納得が必要な問題だ。

写真なし

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です