産科医療補償制度のお金の流れ

発煙筒

2009年1月から始まった「産科医療補償制度」は、分娩に関連しておきた重度脳性まひのお子様に、分娩機関の過失に関係なく、補償金が支払われる制度です。

この制度をお金の流れから、まとめてみます。まず、出産は自由診療です。妊婦や子供に病気があれば保険診療となりますが、分娩そのものは保険診療ではないので、各医療機関が料金を自由に設定できます。民間のクリニックが、豪華な料理やエステなどを詰め合わせた豪華な出産プランができるのも、価格を自由に設定できるからです。そのかわり、妊婦には、出産時に健康保険から出産一時金が支払われます。

分娩をあつかう医療機関は、1分娩あたり1万6千円を掛け金として、公益財団法人 日本医療機能評価機構を通して、民間の保険会社の保険に加入します。この保険は、事実上、医療機関への強制保険です。

補償の対象は、分娩による重度脳性麻痺のお子様です。

2015年1月1日以降に出生した場合は、以下のお子様が対象になります。
(2009年1月1日から2014年12月31日に出生したお子様の基準は若干異なります)

  • 出生体重が1400g以上かつ在胎週数32週以上
  • 先天性や新生児期の要因によらない脳性まひ
  • 身体障害者手帳 1・2級相当の脳性まひ

この保険は、あくまでも分娩の時に、分娩に関連して起きた異常を補償するものです。また、日本医療機能評価機構が個別審査をして補償の可否を決めることになっています。

補償対象となった場合は、
初回に一時金として600万円。以後、20年間の分割で年に120万円、総額で2400万円。あわせて、総額で3000万円が支払われます。

産科医療補償制度は、医療訴訟を減らすためにつくられたものではありません。この制度はあくまで分娩時の事故のための保険で、医療ミスを補償するものではありません。ですから、産科医療補償制度を受けたら訴訟を起こすなということでありません。

<参考>
公益財団法人 日本医療機能評価機構HP 産科医療補償制度
http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/ (2019/10/17閲覧)
厚生労働省HP 産科医療補償制度について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/i-anzen/sanka-iryou/index.html (2019/10/17閲覧)

発煙筒

2 件のコメント

  • とっても分かり易い解説でした。
    ありがとうございます。
    私とは無関係の世界ですが、それでも産科に関する社会問題をちょっとでも理解できればと思っています。
    ところで、分娩による重度脳性麻痺というの何%程度起こり得るものなのでしょうか?

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