患者さんから、よく聞かれるのが、くすりの飲み方。とくに食後の薬は、食後いつ飲むのかという質問が多い。
「食後」というのは、食事がすんでから、およそ30分後のこと。これは、おおまかな目安だから、少々早くなったり、遅くなるのはかまわない。食事が終わってすぐよりは、少し時間をおいた方が薬の吸収には都合がいいが、薬を飲むのを忘れてしまいそうな人は、食後すぐでもかまわない。
食後は胃腸の血液の流れが増えるので、薬の吸収がよくなる。胃のなかに食べ物があるので、胃の粘膜が薬で荒れにくい。といわれるので、食後の薬を飲むために、とにかく少しでも何か食べないといけない、と思っている人も多い。だが、大半の薬は、食事をせずに飲んでもかまわない。
薬は、1回分で何時間効果が続くかで、1日に何回飲むかが決まっている。薬の効果が24時間続けば、1日1回飲めばいい。12時間続けば、1日2回。8時間しか効果がなければ、1日3回、飲む必要がある。
薬の効果だけを考えれば、24時間ごと、12時間ごと、8時間ごとなど、決まった時刻に飲む方がいい。実際、麻薬などは1日3回、6時、14時、22時というように、かなり時間に厳密なものもある。
医者が、薬を食後に飲むようにいうときは、どちらかというと飲み忘れないように、毎日の薬の内服を習慣づけるために、そう指導している場合が多い。
食事をしないからといって薬を飲まない人がいるが、それはかえって危険な場合がある。また、鎮痛剤など、できれば食事をした後に飲んだ方がよい薬もあるので、自分の薬が本当に「食事の後」に飲んだ方がいいのかは、医師や薬剤師に確認してほしい。
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