コレステロールが高い、中性脂肪が高い、血圧が高い、動脈硬化になりやすいから、食事や運動に気をつけましょう。薬を飲んだ方がいいでしょう。そんなことを言われても、どうもぴんと来ない。
別に何の症状もないし、そもそも、コレステロールが高くたって、元気に年寄りはたくさんいるじゃないか。そんな気持ちで、血液検査の結果をながめている方が多いんじゃないでしょうか。
コレステロール、中性脂肪の数値や、高血圧、喫煙などは、血管が硬くなり、血液の流れが悪くなる動脈硬化症のリスクです。
しかし、実際、自分の血管がどこまで悪くなっているのか、それがわからないと、なかなか治療する気になりません。
血管の動脈硬化の程度を、実際に、見て、測る検査が、頸動脈エコー検査と血管機能検査です。
文字で書くと難しそうですが、痛くもなく、時間もかからない簡単な検査です。
頸動脈エコー検査は、超音波で首の血管の断面や、血流を測ります。
検査は、小さな筒状の機械を、首の血管の上にそっとのせるだけです。画面上には、血管の壁にプラークという固まりができたり、血管の内側が狭くなって血液の流れが悪くなっている様子があらわれます。厚くなった血管の壁や、血流の速度を測定すると、血管年齢がわかります。血管が老化している様子は、これからの治療にたいへん参考になります。
血管機能検査、これも簡単な検査です。
手、足に、血圧を測るときの帯(カフ)をまいて、横になるだけです。これで、CAVI(心臓足首血管指数)、PWV(脈波伝播速度)、ABI(足関節上腕血圧比)を測定して、血管の硬さや、足の血管の詰まり具合を検査します。
とくに、動脈硬化で手足の血液の流れが悪くなるPAD(末梢動脈疾患)は、自覚症状がない人も多いので、この検査は、非常に大事です。
何となく高くなってきた、コレステロールや中性脂肪の数値を眺めるだけでなく、もう一歩、詳しい検査が必要な方がたくさんいます。
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