感染症、きほんのき

感染予防

感染症とは何でしょう

感染症は、病気のもとになる微生物(病原体)が、体の中に侵入して起きる病気です。おもな病原体となる細菌やウイルスは、空気中や水、土壌、動物など、私たちの身近に潜んでいます。

病原体は、どのような経路で、人間の体の中に入ってくるのでしょうか。

細菌やウイルスは種類によって遠くまで届くものと届かないものがあります。これは、細菌やウイルスがつくる粒子の大きさに違いがあるからです。

粒子の小さいものは、空気中を長い間ふわふわと浮かんでいるので、空気の流れによって遠くまで運ばれ、感染をおこします。これを空気感染といい、結核菌、麻しんウイルス(はしか)、水痘ウイルス(みずぼうそう)などが原因になります。感染者のすぐ近くにいなくても、同じ部屋にいるだけで感染することもあります。

大きな粒子をつくるものは、咳やくしゃみの時にせいぜい1mほどしか飛びません。これは飛沫(ひまつ)感染といい、インフルエンザウイルスやムンプスウイルス(おたふくかぜ)、風しんウイルス、レジオネラ菌などが原因になります。飛沫感染は、マスクをして咳やくしゃみの飛沫を防ぐことが、感染予防でもっとも重要です。

残りの感染症はたいてい指や食品、器具に付着した菌やウイルスがうつっていく接触感染です。胃腸炎の原因になるノロウイルス、大腸菌、院内感染の原因になるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や緑膿菌などが、接触感染でうつります。接触感染を防ぐには、手洗いがもっとも有効です。

感染症は、原因になる細菌やウイルスによって感染のしかたが異なり、それに応じた予防法が必要になります。

薬が効かない菌が増えています。

細菌の増殖を抑制したり殺したりすることで感染症を治す薬を、「抗菌薬」といいます。抗生剤や抗生物質ともよばれます。

抗菌薬の使い方を誤ると、細菌は薬の効かない「耐性菌」に変化します。耐性菌が増えると、感染症の治療が難しくなり、重症化し亡くなる可能性も高くなります。とくに、免疫力の弱い高齢者や乳幼児が危険にされされることになります。

抗菌薬は、医師や薬剤師の指示を守って、自己中断したり、自分で量を調整したりするのは止めましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です