大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)とは動脈の壁の一部がこぶ状に拡張する病気です。ほとんどが、動脈硬化が原因でおこります。
男性では70歳代、女性では80歳代に多くみられます。高血圧を伴うことが多く、脂質異常症(高脂血症)、喫煙がリスクになります。いったん破裂すると、激しく痛み、ショック状態になり、致命的になります。
症状
- ほとんどの場合が、無症状です。
- 胸部大動脈瘤では、大きくなると、
- 声のかれ、食べ物がのみこみにくい、などの症状があらわれることがあります。
すでに胸部大動脈瘤といわれている方で、かすれ声、声が出しにくいなどの症状が出た場合は、動脈瘤が拡大している可能性があるので、主治医に報告してください。
腹部大動脈瘤では、どっくどっくと脈打つ拍動性のこぶを触れることがあります。また、腰痛や腹痛、腹部不快感などの症状がでることもあります。
診断
- 胸部では、胸部X線
- 腹部では、腹部エコー
- でみつかることが多く、CTやMRI検査で診断が確定します。
治療
- 内科治療
- 血圧のコントロールを行い、動脈瘤が大きくなったり、破裂するのを予防します。
- 外科治療
- 人工血管置換術:大動脈瘤の部分を切除し、人工血管で置換します。
- ステントグラフト治療:血管にカテーテルを通して、ステントグラフトを挿入します。
- 外科治療が必要な場合
- 破裂したとき(救命ができないことも多い)
- 痛みなどの症状があり、破裂が近い場合
- 胸部大動脈瘤で5cm以上、腹部大動脈瘤で6cm以上
- 急速に拡大するとき
- 嚢状(袋状に拡張した)動脈瘤
<参考>
日本循環器学会「大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン(2011年改訂版)」
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