後医は名医というけれど

名医

最初に診察を受けたときの薬がまったく効かないので、別の医者にかかったら、あっという間に治った。そんな経験された方は、たくさんいらっしゃると思います。

最初の医者はヤブで、次の医者は名医ということで、「後医は名医」と例えたりします。

もちろん、最初の医者が本当のヤブ医者ということもあるのですが、少しだけ言い訳をしようと思います。

病気は、症状が出始めたばかりのときは、典型的な症状がそろわないことが多いものです。

まずは、よくみかける頻度の高い病気を考えて、治療を始めます。そのうち、病気がすすんでくると、症状がだんだん現れてきます。

最初の医者がだした薬が効かなかったことも、大きな情報になります。その病気ではないことが、わかるからです。

2番目にみる医者は、診断の材料が増えています。3番目のみる医者は、もっと増えているでしょう。

こうして、後医は名医になるのです。

見当違いの診断や治療をされて、患者さんが怒り出すのは仕方ないことですが、後医がそれに同調して、「こんなこともわからなかったのか」、「もっと早く来れば良かったのに」などと言い出すと、話がややこしくなります。

やっぱり、あの医者の見立てはおかしかったのだと、別の医者がお墨付きをつけることになるからです。

医者は、ヤブにも、名医にもなることを、良識のある医者は知っています。もちろん、先医に明らかにミスがあった場合は、別の話で、援護するつもりはありません。

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