60歳になると、途端に大半の会社では「定年」となり、高齢者扱いされます。当の自分も、もうすぐ還暦を迎え、会社では定年です。59歳と60歳、自分としては、たいして変わりもなく、仕事もそれなりに続けられそうですが、会社での待遇はずいぶん違ってきます。
まあ、確かに以前と比べれば、何かにつまずきそうになる回数が増えてきました。言いたい単語がこの辺まで出ているのに、結局、思い出せずにググってしまう。スマホやメガネをどこに置いたか、捜し回ったり。衰えは感じるのですが、高齢者になった自覚はないのです。
定年を前に少しまとまった休みをもらいました。結局、朝はいつも通り起きてしまうので、長らくサボっていたウォーキングをやってみました。出勤の波に逆行するように、スウェット姿で公園に向かうのは少し優越感を感じます。
自宅から1.5kmほど離れたところにそこそこ立派な公園があり、運動場を取り囲むように一周800mの遊歩道が整備されています。普段は、子どもたちが野球やサッカーをする姿しか見ていませんでしたが、朝の時間帯は、僕よりももう少し年上の先輩方がゲートボールに興じています。ボールを打っては小走りに動き、その姿勢が背をピンと伸ばして素敵なのです。
大したものだなと感心しながら、その姿を横目にウォーキングをするのですが、以前ほど体が動きません。膝が痛いせいもあるのですが、歩くスピードが遅いのです。70歳は優に超えていそうな方になかなか追いつきません。彼は途中で、備え付けの鉄棒で懸垂などをしていました。
これはいかん。コロナだ、ストレスだと言い訳をしている間に、完全に高齢者の先輩に遅れをとった気持ちになりました。60歳はまだまだ若いと「たかをくくる」時ではなく、本物の高齢者の生活へ向けて準備をする時間にしなくてはいけない。ウォーキングをしながら、痛切にそう感じたのです。
65歳~74歳は「前期高齢者」、75歳からは「後期高齢者」。ならば、60歳からは「新規高齢者」といきましょうか。
来年から新規高齢者の仲間入りをする私は、歳を取ることを否定するのではなく、これからも楽しく、元気に、前向きに生きるための、新米の高齢者になりたいのです。
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