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医師の薬の過量投与の副作用とその治療中に発症した疾患の因果関係について
先生、お世話になります。口腔外科の医師が高齢の透析患者に間違えて、1日にバラシクロビル 3000mgを処方してしまい、昏睡状態となり、緊急搬送され、治療中に、肺炎や心筋梗塞、虚血性腸炎などが1週間以内にたてつづけに発症して、後遺症が残ったり、死亡した場合、薬の過量投与による副作用と肺炎や心筋梗塞、虚血性腸炎などは全く無関係なのでしょうか。
治療中の病院や他のサイトではそういった雰囲気がなんとなくあり、少し納得できなかったので質問いたしました。
口腔外科の医師は過量投与を認めていて、患者は透析、心筋梗塞や脊椎梗塞、片方の肺を切除、喘息や腸のポリープ切除などの手術歴があり、医師も把握していた場合です。
また、こういった過量投与といったケースは一般的に良くあることなのでしょうか、また、どういった判断をされるのが一般的なのでしょうか。
こういったケースで相談したり、救済してもらえる制度などがありましたら、教えて頂けると助かります。
医知場先生の答え
医薬品には、使用量や対象、使用上の注意、副作用の頻度、
併用に注意が必要な薬、高齢者や妊婦・授乳婦への投与の可否
などの情報が記載された「添付文書」が用意されています。
バラシクロビルの添付文書をみてみると、
「血液透析を受けている患者に対しては、患者の腎機能、体重又は臨床症状に応じ、
クレアチニンクリアランス10mL/min未満の目安より
さらに減量(250mgを24時間毎等)することを考慮すること」
と記載されています。
また、過量投与による副作用には、
「急性腎不全、精神神経症状」などが報告されていますが、
細菌性肺炎や心筋梗塞、虚血性腸炎の報告は見当たりません。
添付文書の報告だけをみれば、
バラシクロビルの過量投与との因果関係は説明できないことになります。
しかし、薬の投与量が過剰になってしまったことは、
医師の注意義務に問題があるといわれても仕方ないでしょう。
入院中は、医師が薬を処方して、患者さんが内服するまでには、
薬剤師等のチェックが入るので、まず、過量投与の可能性は低いと思います。
外来で処方した場合、調剤薬局の薬剤師が患者さんの病状を把握せずに調剤した場合は、
過量投与の危険性はあると思います。
処方ミスによる死亡や後遺症については、そもそも訴訟対象になるかどうかを、
医療過誤に詳しい弁護士に相談されたほうがよいと思います。
弁護士の相談窓口としては、「法テラス」というサービスがありますので、
そちらに連絡してみるのも良いかもしれません。
この度はお世話になります。
私は、現在薬剤師をしながら医療者対象の教育学を学んでいます。
1月31日のバラシクロビルの件について、薬剤師の対場からお伝えしたいことがございます。
今回の場合、バラシクロビルの過剰投与と服用後に起きた疾患との直接の因果関係を説明することは難しいと思われます。
しかしながら、医師が過剰投与を認めており、服用により昏睡状態になった?可能性は高いのでないでしょうか。
先生の仰るように、院内で調剤する場合、薬剤師は患者さんのカルテを確認した上で服薬指導をします。その段階で、腎不全があった場合には1日量3000mgは過剰であると判断し、担当医師に問い合わせるのが通常です。
今回、院外の調剤薬局でお薬をもらったとのことですが、その薬局はかかりつけ薬局だったのでしょうか。そして、お薬手帳は持参しておられましたか?
かかりつけ薬局で、何度も利用していれば、患者さんの状態は把握していると思われます。
また、かかりつけでない場合でも、持病やアレルギー、生活習慣などを確認、服用中の薬剤も確認します。さらに、薬剤師は腎不全であることをお薬手帳で判断できます。
今回の場合、調剤薬局から担当医に連絡がありバラシクロビルの薬剤情報を提供したかどうか?が気になるところです。
薬剤師が医師に問い合わせをした場合でも、医師の判断で処方は変更されない場合や、薬剤師の意向がうまく伝わらなかった場合など、様々な可能性があります。
調剤薬局という性質上、日頃からの医師とのコミュニケーションが少なくなります。
患者さんのために医師、看護師、薬剤師など、医療者が協働で治療にあたることが医療です。この点からすると、調剤薬局での処方には多くの課題があると感じます。
今回のことで、調剤薬局の薬剤師が近隣病院との強いつながりを持つことの必要性を改めて感じました。
最後に、医療者として言えることは、それぞれ職種は違っていても患者さんのために一生懸命であることは間違いありません。回復を望まない医療者はおりません。
1日も早い回復をお祈りしております。
コメント、ありがとうございます。
処方医が患者の全身状態、病歴、内服薬等の患者情報を確認していないことに、
問題があることは確かだと思います。
しかし、かかりつけ医以外の、とくに内科系以外の先生には、
まだまだ、薬を適正に使うという意識が薄い方がいらっしゃる印象があります。
今から自分が処方しようとする薬以外に、患者さんが何を内服しているのかを、
おくすり手帳などで確認せずに処方したり、
患者さんが何の治療中なのかを確認せずに処方したりするケースを見かけることがあります。
結局は、不利益を受けるのは患者さん自身なのですから、
患者さんも、自分の病気や内服薬等の情報を、きちんと医師側に与えるように心がけるべきです。
初診の患者さんで、おくすり手帳を持参されない方も多く、
内服薬の確認が十分にできないこともあります。
さらに、医療はチームとして機能すべきで、
薬剤師や看護師、検査技師など医療にかかわるスタッフの教育、意識の向上、
さらに、相互の風通しのよいコミュニケーションが必要です。
しかし、なかなか、これができていない。
いまだに、お医者様、の意識が抜けない医師にも問題があるのですが。
今後とも、いろいろなご意見をお聞かせください。