添付文書には何が書かれているか

説明書

医薬品には、使用量や対象、使用上の注意、副作用の頻度、併用に注意が必要な薬、高齢者や妊婦・授乳婦への投与の可否などの情報が記載された「添付文書」が用意されています。

添付文書は、製薬会社がつくる、薬の取扱説明書です。

  • 主に、添付文書に記載される内容は以下のようになります。
  1. 警告:使い方によって、きわめて重大な副作用が発現する場合
  2. 禁忌:症状や、現在の病気、合併症、既往歴(過去の病気)、家族歴(両親に特別な病気があるときなど)、アレルギー、併用薬(一緒に飲んでいる薬)などで投与してはいけない患者など
  3. 原則禁忌:投与しないことが原則だが、特に必要とする場合は患者の病状に注意しながら慎重に投与する場合など
  4. 効能・効果:薬の対象になる病気(薬を処方するためには、この文書上に記載されている病名が正確にカルテに登録されていることが必要です)
  5. 用法・用量:使用量(同じ薬でも病名によって使用量が異なることがあります)
  6. 慎重投与:他の患者より副作用の危険性が高くなるため、投与するかどうか、投与量、投与後の観察などが必要な場合
  7. 重要な基本的注意:重大な副作用または事故を防止する上で、用法や用量、病名、投与期間、投与すべき患者の選択、検査の実施等に関する重要な基本的注意事項
  8. 相互作用:併用することで、薬理作用の増強、減弱、副作用の出現、原疾患の増悪等が生じる場合。飲食物との相互作用も記載。併用禁忌(絶対に併用してはいけない)、併用注意(併用しないほうが良いが、必要な場合は注意して使用する)などの区分があります。
  9. 副作用:報告されている副作用と発生頻度。とくに重大な副作用は「重大な副作用」として記載。
  10. 高齢者、妊婦・産婦・授乳婦、小児への投与についての注意
  11. 過量投与:過量投与時の中毒症状
  12. 適用上の注意:投与経路、注射速度、調整方法などの注意
  13. 薬物動態:吸収や分布、排泄等に関するデータ。腎機能や肝機能の程度によって投与量、投与間隔の調整が必要な場合の解説。

これだけの内容が、小さな文字で羅列された文書が、「添付文書」です。電子カルテでは、処方せんを右クリックすると見ることが可能なのですが、この内容を処方のたびにチェックできるかというと、難しいのが実状だと思います。

併用してはいけない薬が処方されていないか、腎機能によって用量の減量が必要か、などといった基本的な注意は、処方時にチェックするようにしていますが、処方後に、薬剤師とのダブルチェックで、投与量の過小や併用に注意が必要な薬が投与されていることなどを、指摘されることもあります。

添付文書は製薬会社がつくる使用説明書です。この文書に記載した内容を守らずに使用した場合は、会社の責任ではなく、薬を処方した医師の責任であるという解釈もあります。

添付文書は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のホームページなどから検索ができます。

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