心房細動は、心臓が一定のリズムを打たずに震えるような状態の不整脈です。心房細動は、心臓の中に血液の固まり(血栓)ができやすくなります。血栓がはがれると、脳の血管を詰まらせて、脳卒中を起こす危険があります。
心房細動の患者のなかでも、脳卒中または一過性脳虚血発作の既往があるか、うっ血性心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病のいずれかの危険因子を2つ以上合併した方は、脳卒中がおこる(再発する)リスクが高いので、ワルファリンなどの抗凝固薬を使って血液をさらさらにし、血栓を作らないように予防する必要があります。この評価に使われるのがCHADS2スコアです。
CHADS2スコア
危険因子 | 点 | |
C | Congestive heart failure(うっ血性心不全) | 1 |
H | Hypertension(高血圧) | 1 |
A | Age(年齢75歳以上) | 1 |
D | Diabetes Mellitus(糖尿病) | 1 |
S2 | Stroke/TIA(脳卒中/一過性脳虚血発作) | 2 |
CHADS2:CHF(心不全)、HT(高血圧)、Age>75(高齢)、DM(糖尿病)は、それぞれ1点、Stroke/TIA(脳卒中/一過性脳虚血発作)は2点に計算される。合計点をCHADS2スコアという。
CHADS2による脳卒中リスクの評価
CHADS2スコア | 脳卒中リスク | 脳卒中発症 |
0 | 低 | 1.0%/年 |
1 | 低~中 | 1.5%/年 |
2 | 中 | 2.5%/年 |
3 | 高 | 5.0%/年 |
≧4 | 非常に高 | >7.0%/年 |
CHADS2スコアが2点以上の心房細動の患者には、ワルファリンなどの抗凝固薬の使用が強くすすめられています。
ワルファリンは、一般的にPT-INR 2.0-3.0の間になるように量を調整することが理想ですが、70歳以上の高齢者では、PT-INR 1.6-2.6にとどめることが推奨されています。
<参考>
脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017] 日本脳卒中学会
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