高齢者の寝たきりの原因の上位に、骨折があります。骨折を予防することは、高齢者にとって重要な問題です。骨密度は、骨折リスクを測る大事な検査ですが、それだけで骨折のリスクを評価できるわけではありません。FRAXは、WHOが作成した骨折リスクの評価ツールで、インターネットで公開されています。
FRAXは、骨密度の測定なしで、10年間の骨折確率を計算することができます。骨粗鬆症性骨折(Major osteoporotic)15%以上では、薬物療法を検討する必要があります。ただし、75歳以上の女性は、このツールでは計算できません。
インターネットの入力画面上の用語を解説しておくと、
- 糖質コルチコイドとは、プレドニゾロン5mg以上、3か月以上内服している人。
- 二次性骨粗鬆症とは、1型糖尿病、成人の骨形成不全症、長期にわたり未治療であった甲状腺機能亢進症、性機能低下症、早発閉経(45歳未満)、慢性的な栄養失調あるいは吸収不良、慢性肝疾患など。
- アルコール1単位は、アルコール量で8-10g。目安として、日本酒1合=アルコール23g;缶ビール350ml=12g;ワイン グラス1杯=12g;焼酎1合=35g;ウイスキー シングル1杯=19g
FRAXは、日本の骨粗鬆症ガイドラインでも、おすすめの評価ツールなのですが、まだまだ、一般には普及していない印象です。寝たきりの原因になる骨折を、早くからみつける。リスクの高い人を見つけだして、予防する。そうしたアプローチが、ますます必要な時代になっています。
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