サルコペニア|年のせいではない筋力の低下

やせた高齢者

「足腰が弱くなって歩くのがつらい」
「ふらついて、つまずいたり、転びそうになる」
ある程度の年齢になると、よく耳にする訴えです。しかし、このなかには、「サルコペニア」という病気が隠れていることがあります。サルコペニアは、60歳以上の約8%、約370万人の患者さんがいると推計されています。(ROAD study)

サルコペニアは、加齢に伴う筋肉量の減少および筋力の低下によって、要介護に陥りやすくなった状態のことです。サルコペニアと肥満が合併した状態は、サルコペニア肥満といわれます。

サルコペニアの診断には、AWGSの診断基準が使われます。

サルコペニア診断基準

簡単なセルフチェックの方法に、「指輪っかテスト」があります。

  1. 両手の親指と人差し指で輪をつくる。
  2. 利き足でない方のふくらはぎの一番太い部分を囲み、隙間ができたら、サルコペニアの可能性があります。

サルコペニアは、加齢が最も重要な要因ですが、年齢だけでなく、心臓や肺、腎臓などの臓器機能の低下、悪性腫瘍、消化不良や栄養不足でも起きてきます。これは、加齢に伴う身体活動の低下や、栄養状態の変化、ホルモンの変化が原因と考えられています。サルコペニアを起こしやすい病気をまとめました。

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 2型糖尿病、メタボリックシンドローム
  • 骨粗鬆症
  • 関節リウマチ、変形性関節症
  • 低栄養、フレイル
  • 外傷や手術

栄養状態が低下し活力が落ちた状態を「フレイル」といい、介護が必要な段階に向かっている高齢者の方です。サルコペニアになると、「フレイル」をおこしやすくなります。また、サルコペニアは、転倒や骨折のリスクも高くなります。

サルコペニアを治す薬はなく、定期的な運動と、タンパク質を中心とした栄養補給が大事です。1日に1kgあたり1.0g以上のタンパク質摂取は、サルコペニアの発症予防に有効です。また、運動習慣をつけることで、骨格筋量や膝伸展筋力、歩行速度の改善にも役立つと考えられます。

年をとるほど、足腰が大事になります。歩いたり、食べたりするのが難しくなったら、かかりつけ医に相談して、デイケアなどの介護保険のサービスを利用することも考えましょう。

<参考>
サルコペニア診療ガイドライン 2017年版. サルコペニア診療ガイドライン作成委員会編

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