骨粗しょう症

骨粗鬆症

骨粗しょう症とは骨がもろくなって、骨折を起こしやすくなる病気です。

粗しょう(粗鬆)とは隙間がたくさん空いているという意味で、スカスカになった骨をあらわしています。何の前兆もなく、突然骨折をおこしてわかることも多い病気で、高齢者の寝たきりの原因ともなっています。

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健康な骨
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骨粗しょう症の骨

(写真:財団法人骨粗鬆症財団:高齢検診受診者のQOL向上のための保健活動の在り方の研究報告書. 1997)

日本の骨粗しょう症の患者は推定で1280万人、そのうち980万人が女性です。骨粗しょう症は、50歳前後の閉経で女性ホルモンが急減に低下するために、閉経から10年ほどで急激に進行します。

骨粗しょう症は、学問的には、「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されます。

骨の強さは、骨の密度と質で決まります。骨密度で骨強度の70%が説明できますが、それ以外の骨の質も骨粗しょう症に関係しています。

骨強度=骨密度+骨質

FRAXは、骨折リスクを評価するツールで、将来、骨折する確率を自己診断できます。

症状

背中や腰の骨(脊椎)がつぶれる圧迫骨折によって、次のような症状があらわれます。
・ 立ち上がったり、重いものをもつと、背中や腰が痛む
・ 背中や腰が曲がってくる
・ 背が縮んでくる
・ さらにひどくなると、転んだだけで、大腿骨頸部(あしの付け根)、前腕(手首)、上腕骨頸部(肩の部分)を骨折することがあります。とくに転倒事故で多いのが大腿骨頸部の骨折です。

高齢者では、足が動かせなくなって寝たきりになり、認知症が進むことがあります。

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原因

骨は、古い骨が壊され新しい骨が作られ、たえず生まれ変わっています。このバランスがくずれると骨はもろくなってしまいます。

1.年齢:誰でも年齢とともに骨は少しずつもろくなります。
2.閉経した女性:女性ホルモンは骨のカルシウムの減少を抑える働きをしています。閉経後は、女性ホルモンの欠乏により骨粗しょう症が急激に進行します。
3.体質:親が骨粗しょう症の人
4.生活習慣:カルシウムの不足、運動不足、過度のダイエット、喫煙、飲酒
5.その他:卵巣摘出、糖尿病、慢性肝障害、胃切除など。ステロイド(副腎皮質ホルモン)の内服。

検査

  1. 骨密度測定
    ヒトの一生で最も骨密度が高い、20歳から44歳までの健康女性の骨密度の平均値を基準値として、その70%未満を骨粗しょう症、70-80%を骨量減少と定義しています。
    ・DXA法:X線を腰の骨(腰椎)や脚の骨(大腿骨)にあてて骨密度を測定する方法で、最も信頼度の高い測定法。
    ・超音波法:超音波を使って、かかとの骨(踵骨)の骨密度を測定する。
  2. 骨のレントゲン
    腰椎や大腿骨のレントゲンで、骨折や骨の変形、骨のスカスカ具合(骨萎縮度)を判定する。
  3. 血液・尿検査
    > 骨形成マーカー:骨を作っている状態を表すマーカー
    ・BAP, P1NPなど
    > 骨吸収マーカー:骨を壊している状態を表すマーカー
    ・NTX, CTX, DPD, TRACP-5bなど

治療

1.食事療法
日本人の平均カルシウム摂取量は550mg程度です。カルシウムは1日800mg以上、必要です。

<参考>カルシウム自己チェック表
20点以上:よい、16-19点:少し足りない、11-15点:足りない、8-10点:かなり足りない、0-7点:まったく足りない

 0点0.5点1点2点4点
1.牛乳を毎日どのくらい飲みますか?ほとんどなし月1-2回週1-2回週3-4回ほとんど毎日
2.ヨーグルトをよく食べますか?ほとんどなし週1-2回週3-4回ほとんど毎日ほとんど毎日2個
3.チーズなどの乳製品やスキムミルクをよく食べますか?ほとんどなし週1-2回週3-4回ほとんど毎日2種類以上毎日
4.大豆、納豆など豆類をよく食べますか?ほとんどなし週1-2回週3-4回ほとんど毎日2種類以上毎日
5.豆腐、がんも、厚揚げなど大豆製品をよく食べますか?ほとんどなし週1-2回週3-4回ほとんど毎日2種類以上毎日
6.ほうれん草、小松菜、チンゲン菜などの青菜をよく食べますか?ほとんどなし週1-2回週3-4回ほとんど毎日2種類以上毎日
7.海藻類をよく食べますか?ほとんどなし週1-2回週3-4回ほとんど毎日
8.シシャモ、丸干しいわしなど骨ごと食べられる魚を食べますか?ほとんどなし月1-2回週1-2回週3-4回ほとんど毎日
9.しらす干し、干しえびなど小魚類を食べますか?ほとんどなし週1-2回週3-4回ほとんど毎日2種類以上毎日
10.朝食、昼食、夕食と1日3食を食べますか?1日1-2食欠食が多い1日3食(3点)

カルシウムの多い食品(日本食品標準成分表)

 食品名目安量カルシウム量
牛乳・乳製品牛乳200mL230mg
スキムミルク大さじ2杯130mg
プロセスチーズ6ミリ厚2切れ190mg
パルメザンチーズ大さじ1杯半130mg
ヨーグルト半カップ130mg
大豆・豆製品もめん豆腐半丁180mg
おから50g130mg
大豆20g50mg
糸引き納豆50g45mg
小魚・海藻わかさぎ60g270mg
いわし丸干し20g90mg
桜えび大さじ3杯140mg
ひじき10g140mg
しらす干し20g100mg
野菜小松菜80g140mg
春菊80g100mg
大根(葉)30g80mg
ほうれん草80g40mg

2.運動療法

まず、歩くことが大事です。1回30分の歩行を、朝夕2回、1日8000歩を目標にしましょう。胸を張り、背筋を伸ばし、膝と脚をしっかり伸ばし、歩幅はいつもより少し広めに。

そのほか、水泳、ゲートボール、サイクリングなど、無理をせず楽しむことできる運動を続けましょう。

3.骨粗しょう症の薬

1.骨密度、2.骨代謝マーカー、3.骨折の有無、4.栄養状態、5.腰痛、6.転倒の危険性などを考慮して、薬を選択します。

・カルシウム薬
・女性ホルモン薬
・ビタミンD薬
・ビタミンK2
・ビスホスホネート薬
・選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
・カルシトニン薬
・テリパラチド(副甲状腺ホルモン)
・デノスマブ(RANKL抗体)
・その他(イプリフラボン、蛋白同化ホルモン薬)

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ビスホスホネート薬についての注意

ビスホスホネート薬は、強い骨折抑制効果があり、最もよく使われている薬ですが、薬を内服するときには、注意が必要です。

*コップ1杯分のたくさんの水で服用し、飲んでから30分は横にならないこと。また、抜歯などの歯科治療後に顎骨壊死の副作用が報告されていますので、ビスホスホネート薬の内服治療中の方は、歯の治療を行うときは、主治医にご相談ください。

<参考>
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版 ライフサイエンス出版 2015.

<資料提供>
日本イーライリリー
中外製薬

骨折

骨折リスクを予測するツール、FRAX

2011年9月3日
骨粗鬆症

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