睡眠時無呼吸症候群

OSAS

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が一時的に止まる状態を繰り返す病気です。

睡眠中に呼吸が十分に行われないので、何度も目が覚めたり、熟睡できないことで、昼間の眠気や倦怠感、集中力の低下に悩まされます。

30歳以上の男性の4%、女性の2%程度が睡眠時無呼吸症候群で、予備軍まで含めると30歳以上の男性の24%、女性の9%に達すると推定されています。

睡眠時無呼吸症候群の95%以上は、のどの奥(上気道)の空気の通り道が狭くなる、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome, OSAS)です。もともと肥満や老化によって狭くなった上気道が、睡眠時にのどの筋肉の緊張が低下してさらに狭くなり、呼吸に支障を来すようになります。

まれに、脳腫瘍や脳血管障害などの脳の異常が原因となる中枢性睡眠時無呼吸症候群がみられます。

セルフチェック

  • よくいびきをかく
  • 昼間に強い眠気がある
  • 睡眠中にゼイゼイと息苦しそうにする
  • 睡眠中にときどき呼吸が浅く遅くなったり、止まったりする
  • 夜によく目が覚める
  • 熟睡感がない
  • 昼間に体がだるい
  • 集中力が低下している

あなたの眠気度をチェックしてみましょう

最近の生活で、下のような状況になると眠ってしまいますか?
0=決して眠くならない、1=ときに眠くなる、2=1と3の中間、3=眠くなることが多い

 
数字に○をつけてください
座って読書をしている時
テレビを見ている時
公の場所で座って何もしない時
1時間以上続けて車に載せてもらっている時
午後に横になって休息するとき
座って誰かと話をしている時
昼食後(お酒を飲まずに)静かに座っている時
車中で、交通渋滞で2-3分止まっている時

合計点数が11点以上であれば、眠気が強いと判断されます。
エップワース睡眠尺度(Epworth Sleepiness Score)より

診断

10秒以上続く無呼吸または呼吸運動の著しい低下が、1時間に5回以上あり、
日中の眠気や倦怠感、睡眠中の覚醒などの症状を伴う場合、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

検査

ポリソムノグラフィーは、睡眠時検査で最も詳しく正確に診断することができる検査です。

睡眠レベルの変化、眼球運動(レム睡眠)、血液中の酸素量、呼吸の量とパターンなどを測定して、睡眠と呼吸状態の異常を検査します。検査のために、一泊の入院が必要です。

検査項目を減らして簡単に測定できるポータブルタイプの装置も開発されています。簡易型の装置では睡眠や呼吸の障害が過小評価される可能性がありますが、中等症~重症の診断は可能です。

合併症

  • 肥満
  • 高血圧
  • 心不全
  • 不整脈
  • 心筋梗塞、狭心症
  • 脳梗塞
  • 糖尿病
  • 脂質異常症

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病と密接に関係し、動脈硬化による血管の病気をひきおこす原因になります。

治療

減量、禁煙、過度の飲酒をやめることが基本です。横向きに枕を高くして寝ると、いびきを減らす効果があります。また、睡眠薬は症状を悪化させることがあります。

これらの方法で改善されない場合は、nCPAP(nasal Continuous Positive Airway Pressure, 経鼻的持続気道陽圧療法)が有効です。nCPAPは、鼻マスクから圧力をかけて空気を気道に送り込むことで、楽に呼吸ができるようにする機械です。確実な効果が期待でき安全なことから、第一選択の治療法です。

それ以外の方法として、取り外し可能なマウスピース(Oral appliance, ORAP)を歯科医に調節してもらう方法や、耳鼻科で気道を広げる手術などがあります。

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