機能性ディスペプシア、胃カメラではわからない胃腸の病気

胃もたれ

胸やけ、胃のもたれ、胃の痛み、お腹の張り、吐き気、食欲不振、便秘、下痢など、胃や腸の症状を訴えて、診察に来られる方がたくさんいます。しかし、内視鏡検査(胃カメラや大腸ファイバー)や血液検査などをしても、胃や腸には、炎症や潰瘍、がんなどの異常がみつからないこともよくあります。

実は、胃や腸の症状を訴える半数の方に、内視鏡検査で異常がありません。このように胃腸の症状があるにも かかわらず、検査では異常がない状態を、機能性胃腸症(FD:Functional Dyspepsia)といいます。

これは、胃や腸を動かす神経のバランスが乱れているためにおこるので、胃や腸のなかを内視鏡で検査しても異常は見つからないのです。

機能性胃腸症は

  • 食後の胃もたれを訴えるタイプ(食べたものを消化しない、いつまでも食べたものが胃の中に残っているなど)
  • 食事に関係なくみぞうちの痛みや焼けた感じを訴えるタイプがあります。
  • ストレスなどの心理的な要因との関係もあり、胃腸の症状以外にも倦怠感や冷え、肩こり、背部痛、立ちくらみなどのいろいろな症状を訴えることがあります。

機能性胃腸症の治療

  • 胃酸を抑える薬
  • 胃腸の動きを良くする薬、ピロリ菌の除菌症状によっては抗うつ薬や抗不安薬が必要なことがあります。

機能性胃腸症は、生活習慣の改善も重要です。まず、炎症や潰瘍、がんなどの病気がないことを内視鏡検査で確かめたら、次のような生活習慣の改善にとりくみましょう。

食事のとり方

  • 食事の時間は規則的に
  • ゆっくり時間をかけて
  • よくかんで食べる
  • 食後にゆっくりした時間をつくる

食事の内容

  • 腹八分目
  • バランスのとれた食事
  • 脂肪をとりすぎない
  • 香辛料を控えめに

食事の環境

  • 家族や友人と楽しく会話をしながら
  • 落ち着いた雰囲気で

ストレスと行動

  • 睡眠と休養を十分に
  • ストレスをさける
  • 症状が悪化する誘因をさがす

<参考>
機能性消化管疾患診療ガイドライン2014−機能性ディスペプシア(FD) 日本消化器病学会編

2 件のコメント

  • 初めまして。もう5年も前からみぞうちが痛くて、内視鏡検査で調べても異常は見つからなく、いつも朝がた1時から5時ぐらいから痛みが続き、ほぼ毎日仰向けで寝てたら必ずいたくなり、うつ伏せの状態で寝ると痛みが治まるのですが、これも機能性胃腸症に当たるのでしょうか。

    • コメントありがとうございます。
      胃内視鏡検査で異常がなければ、機能性胃腸症の可能性はありますが、
      姿勢や時間によって症状があらわれることが、理解できません。
      整形外科(骨や関節)、循環器(心臓)、呼吸器(肺)など、範囲を広げて検査をした方が良いかもしれません。
      胃腸にこだわらず、ご相談されてはいかがでしょう。

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