電子タバコは、ふつうのタバコよりマシだとか、体に悪くないとか、他人には迷惑をかけないといった誤解があるようですが、そうではありません。
日本呼吸器学会は公式の見解として、次のように発表しています。
<見解>
- 加熱式タバコや電子タバコが産生するエアロゾルには有害成分が含まれており、健康への影響が不明のまま販売されていることは問題である。
- 加熱式タバコの喫煙者や電子タバコの使用者の呼気には有害成分が含まれており、喫煙者・使用者だけでなく、他者にも健康被害を起こす可能性が高い。
<提言>
- 加熱式タバコや電子タバコが紙巻きタバコより健康リスクが低いという証拠はなく、いかなる目的であってもその喫煙や使用は推奨されない。
- 加熱式タバコの喫煙や電子タバコの使用の際には紙巻きタバコと同様な二次曝露対策が必要である。
先日、私の禁煙外来に来られた患者さんから、「タバコは止めました。そのかわり、電子タバコにしました。」といわれました。冗談でしょ。それは、禁煙したことにはなりません。タバコの種類を変えただけです。
電子タバコは、タバコです。
加熱式タバコは、そもそもタバコ製品です。電子タバコはニコチンを含まないものもありますが、様々な添加物や香料が加えられており、加熱されることで発がん性のある有害物質が生じることが報告されています。いずれも、人体にどれほどの影響を与えるのか、まだデータが集まっていませんが、体に言い訳はありません。
<参考>
日本呼吸器学会「加熱式タバコや電子タバコに関する日本呼吸器学会の見解と提言」 (2019-12-11改定)
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