食道がん

胃カメラ

食道は、のどから胃につながる管で、食べ物を胃に送り込む働きをします。食道がんは男性に多く、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓、前立腺に次いで7番目に死亡者数の多いがんです。また、食道がんは、のどや口のがん、胃がんをよく合併し、食道がんの患者さんの約20%に重複がんを認めます。

食道がんになりやすい人

喫煙、大量飲酒が最大のリスクです。その両者が加わると、さらに危険性が増加します。男性は女性の5倍以上、食道がんにかかりやすく、40代後半から増加します。ほかにも、熱いものを飲んだり、食べたりする食習慣もリスクになります。一方、野菜や果物は、がんの発生リスクを下げます。肥満もリスクになると考えられます。

症状

  • 食道がんは、早期には症状がなく、健診などで偶然にみつかる場合が大半です。
  • がんが進行して粘膜から筋肉へと深く広がると、食べ物がつかえたり、しみたり、飲み込むのが難しいなどの症状があらわれます。

検査

  • 早期の食道がんは、バリウムを飲んでレントゲン撮影する造影検査で変化がわかりにくいため、早期発見には内視鏡検査(胃カメラ)が重要です。
  • レントゲン検査だけでは、わからない、見落としやすいがんですから、異常を感じたら、ためらわずに内視鏡検査を受けましょう。
  • 食道がんの疑いがあれば、さらに、超音波内視鏡検査でがんの深さ、CTやMRI、PET-CT検査などを使って、周囲の臓器への広がりや転移などを詳しく検査する必要があります。

食道がんの病理

食道は、表面の粘膜と外側の筋肉からできた管で、粘膜は扁平上皮という組織でおおわれています。日本人の食道がんの90%は、扁平上皮から発生した扁平上皮がんです。しかし、欧米では、腺上皮から発生した腺がんが多く、がんの場所も日本人とくらべて胃に近いところによくできるという違いがあります。

病期(ステージ)

がんの進行の程度を病期(ステージ)といい、がんの深さ、リンパ節や他の臓器への転移の有無で分類されます。数字が大きくなるほど、病気が進行した状態です。0からⅣ期に分類され、0期は最も早期のがんで、Ⅳ期は最も進行したがんです。

  • 0期:がんが食道の最も表面にある粘膜の層の中にだけあり、リンパ節や他の臓器への転移がない。
  • Ⅰ期:がんが粘膜層を超えて粘膜下層まで広がるが、リンパ節に転移なし。
  • Ⅱ期:がんが粘膜下層の外にある筋層まで広がる。
  • Ⅲ期:がんが筋層を超えて食道の最も外側の壁に広がる。
  • Ⅳ期:がんが食道壁を超えて周囲の臓器に広がっている。または、食道から離れたリンパ節や臓器に転移がある。

ここでの病期の説明は、わかりやすいように簡単に書いていますが、実際に医師が判定する場合は、がんの大きさや広がり(T因子)、リンパ節への転移(N因子)、遠隔臓器への転移(M因子を分類し、その組み合わせで病期を詳しく判定しています。

治療

食道がんの治療は、がんの進行度と患者の全身状態などを評価して、内視鏡治療、外科手術、放射線、抗がん剤治療が行われます。

  1. 内視鏡的治療
    • 食道の粘膜のごく表面にでき、リンパ節などへの転移がない早期の食道がんは、内視鏡を使って切り取ることが可能です。しかし、組織検査の結果、がんが予想より広がっていた場合などは、外科手術などの追加治療が必要になります。
  2. 外科療法(手術)
    • がんのある食道を切り取り、胃や小腸で食道の代わりになる管を再建します。さらに、がんの近くにある転移しやすいリンパ節を切除して、再発しないようにします。
  3. 放射線療法
    • 高エネルギーのX線などによって、がん細胞を殺します。がんの広がりが限局している場合は、放射線と抗がん剤の併用でかなりの効果が期待できます。
    • がんの広がりが大きく、骨や脳などへ転移している場合は、症状を緩和するために使うことがあります。
  4. 化学療法(抗がん剤)
    • 点滴や飲み薬で、がん細胞を殺し、増殖するのを抑えます。がんが全身に広がっている場合や、手術後の再発を抑えるために行います。
    • フルオロウラシルとプラチナ製剤の併用がよく行われます。
    • 放射線との併用によって治療効果が上がりますが、副作用も増えるので注意が必要です。

<参考>
国立がん研究センター「 がん情報サービス」
日本食道学会「食道癌診療ガイドライン 2017年版」

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