百歳の孤独

先日、私の外来を受診した98歳の女性は、自宅に独居で過ごしていた。

内閣府が発表した「平成30年版 高齢社会白書」によれば、日本の総人口(2017年10月1日現在)、1億2671万人のうち、75歳以上は1748万人で、総人口の13.8%を占める。

平均寿命は、2016年現在、男性80.98年、女性87.14年2065年には、男性84.95年、女性91.35年で、女性は90年を超える。

65歳以上の世帯のうち、2016年現在、夫婦のみの世帯が31.1%、単独世帯が27.1%で、「単独世帯」・「夫婦のみの世帯」が全体の過半数を占める。

65歳以上の一人暮らしの者の増加は男女ともに顕著で、2015年には、男性約192万人、女性約400万人で、65歳以上人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっている。

話は少し変わって、2017年のデータで、日本の結婚年齢は、男性が31.1歳、女性が29.4歳。年齢差は約2歳。

女性は男性より、約6歳長生きするので、単純計算で8年間は、夫の亡くなった後に女性が一人で生きる時間になる。

人生百年時代を迎えようとしているが、百年の人生の最期は、百年の孤独を抱えた一人暮らしの毎日かと思うと、「長生きするって何なんだろう」と寂寞とした思いに包まれる。

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