ナラティブ・ベイスド・メディスン(NBM、Narrative-based Medicine)は、英国の開業医から提唱された、対話と物語に基づいた医療のことです。
患者さんが、診察室で医者に話す物語、どうして病気になったのか、病気についてどう考えているのか、どんな症状で苦しんでいるのか、などから、病気の背景や人間関係を理解して、全人的にアプローチすることをいいます。
これは、あたりまえのことです。
とくに、内科医にとって、患者の背景を把握することは大事です。しかし、日本の医療制度では、外来の診察料金がめっぽう安いので、限られた短時間の間に、次から次へ診察をすることを強いられています。
ゆっくり話を聞く余裕がないと、患者さんの話を最後まで聞くことができずに、途中で遮ってしまう場合が出てきます。
まず、「検査をしましょう。」検査が終われば、「検査では異常がありませんから、心配ありません。」
実はこれでは、患者さんの問題が解決したことにならないのですが、往々にして、こういう対応になってしまいます。
患者の話す物語をよく聞き、納得する結末を描くためには、診察時間の確保、医者側のコミュニケーションの技術が必要ですが、それが評価される仕組みが整っていないのが、現状です。
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