外見は本物の薬と全く同じだが、中身の成分が入っていないものをプラセボ(偽薬)という。
もともとは、薬の効果を試験するためのもので、プラセボより効果があれば、薬の本当の効果があるとわかる。効果判定のための、ネガティブ・コントロール(陰性対照)である。
しかし、不思議なことにプラセボを飲んだ人にも、いくらの効果が現れることが多い。
医者から血圧の下がる薬ですよ、とか、胃炎の薬ですよ、と言われて薬を渡されれば、たとえ、中身のないプラセボでも効果のでる人がいる。
これを、プラセボ効果といって、暗示にかけられたようなものだ。
名医の薬は良く効くものだが、これは、診たてがいいだけではなく、プラセボ効果も入ってのことだと思う。名医のブランドがない私は、患者さんに「効くと思って飲んでくださいね」とさりげなくプラセボ効果を混ぜながら、薬を処方している。
プラセボを使いこなしてこそが内科医と思っているが、ただのはったりになりそうで心配になる。
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