新型コロナウイルス感染症の後遺症

息切れ

新型コロナウイルス感染症から回復したあとに、後遺症に悩む患者が少なくいないことがわかってきました。なかには、日常生活や仕事などに支障がでてくることもあります。

世界保健機関(WHO)では、COVID-19の発症から3ヶ月以上(少なくとも2ヶ月以上)何らかの症状が残存し、他の診断では説明できない状態を” long COVID (post COVID-19 condition) “と定義しています。このような後遺症を厚生労働省のガイドラインでは「罹患後症状」と記載しています。

罹患後症状(後遺症)とは

新型コロナウイルス感染後に、少なくとも2ヶ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの。通常は、COVID-19の発症から3ヶ月経った時点にもみられる。症状には、倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などがあり、日常生活に影響することもある。COVID-19の急性期から回復した後に新たに出現する症状と、急性期から持続する症状がある。また、症状の程度は変動し、症状消失後に再度出現することもある。

代表的な症状

代表的な罹患後症状

症状の頻度・持続期間

入院中の15%以上の患者に認めた罹患後症状の推移(令和2年度 厚生労働科学特別研究事業福永班中間報告)

海外の報告では、COVID-19の感染後、診断後2ヶ月あるいは退院後1ヶ月たっても、72.5%が何らかの症状を訴えていた。主な症状は倦怠感(40%)、息切れ(36%)、嗅覚障害(24%)、不安(22%)、咳(17%)、味覚障害(16%)、抑うつ(15%)。日本の入院患者の調査では、下図のように、疲労感・倦怠感、息苦しさ、睡眠障害、思考力・集中力低下は、6ヶ月後にも10%以上に認められたが、多くの患者では症状が改善しています。

海外では、高齢、肥満、女性で罹患後症状がみられやすく、ワクチン接種者では症状の発現は約半数に減少することが報告されています。

原因

罹患後症状の原因は不明な点が多く、ウイルス感染そのものによる障害、免疫調節の異常、血液や血管への損傷、重傷者の集中治療後症候群などがあげられています。

治療

症状にあわせた治療にとどまらず、専門医療機関との連携や、就労復帰の支援など多方面にわたるアプローチが必要になります。ワクチン接種は、COVID-19の予防だけでなく、後遺症の予防効果も認められるという報告があります。この効果は、60歳以上で最も高くなります。

リハビリテーション

*呼吸苦、運動時の呼吸回数増加(30回/分以上)やSpO2の低下がみられるような負荷は避ける。また、倦怠感がみられる場合には、強い負荷となる運動は避け、実施後に症状の増悪がないことを確認する。立位で行う下肢筋力練習は、安全に配慮して壁や机など支えになるものがある場所で実施する。

息切れや筋力低下には、有酸素運動、呼吸練習、下肢筋力増強、バランス練習、日常生活などのリハビリテーションが効果的であると報告されています。重症化した方は、主治医と相談の上、実施したほうがよいでしょう。

<参考>
国立感染症研究所「新型コロナワクチンについて(2022年3月13日現在)」(2022年3月20日)
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント暫定版」2021年12月1日

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