良いめまい、悪いめまい

めまい

「めまい」は、患者さんの訴える症状の中でも多いものの一つです。しかし、ほとんどは自然に治る良いめまいです。ただし、すぐに治療が必要な悪いめまいも隠れています。

めまいの原因には、「末梢性めまい」と「中枢性めまい」があります。

  • 耳の中の平衡感覚のセンサーである前庭がおかしくなるの=末梢性めまい
  • 脳の血管がつまって平衡感覚の制御ができなくなる=中枢性めまい

「末梢性めまい」は、一般に良いめまいですが、「中枢性めまい」は悪いめまいですから、すぐに治療が必要です。

めまいの大半が「末梢性めまい」で、なかでも「良性発作性頭位めまい症」が多く、めまい患者全体の20-50%といわれます。

「良性発作性頭位めまい症」は、頭位、つまり、頭の向きを一定方向に向けたときに症状が強くなります。朝起きた時や、寝返りをうったりすると、めまいが激しくなるのが特徴です。良性と名がつくように、安静にしておけば、短期間で自然に治る病気です。

心配なのは、「中枢性めまい」です。中枢性めまいは、めまい患者のわずかに1-3%ですが、脳梗塞や脳出血が原因となることがあり、治療は緊急を要します。

中枢性めまいは、平衡感覚の神経の通り道である脳幹、平衡感覚の司令塔である小脳の障害で起きることが多いです。

  • 手足や顔面のまひ
  • 言葉がしゃべりにくい
  • ものが二重に見える
  • 立ち上がったり歩くことができない
  • などのめまい以外の症状を伴うことが多いのが、末梢性めまいとの違いです。

中枢性めまいは、CTやMRIなどの検査を行い、すぐに治療が必要な場合があるので、放ってはおけない危険なめまいです。

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