B型肝炎、C型肝炎の検査

肝炎の原因になる代表的なウイルスは、A型、B型、C型の3種類の肝炎ウイルスです。このうち、A型は慢性化することはなく一過性で終わりますので、一般の健康診断では、B型とC型肝炎のウイルス検査を行います。

B型、C型の肝炎ウイルスの感染が長期に続くと、肝臓の機能が低下する肝硬変になったり、肝癌が発生することがありますので、B型、C型肝炎ウイルスの感染が問題になります。

血液の中に含まれるウイルスの量は、血液全体から見ると非常に微量なので、ウイルスそのものの量を検査するためには、遺伝子を増幅させる特別な検査が必要です。

この方法は、コストと時間がかかるため、多くの方の中から肝炎ウイルスの感染者を見つける検査には不向きです。

そこで、HBs抗原とHCV抗体を検査します。

HBs抗原は、B型肝炎ウイルスの外側をおおうタンパク質で、このタンパク質を測ることで、ウイルスがいるかどうかを判定しています。

HBs抗原が陽性であれば、B型肝炎ウイルスが感染している可能性が高くなります。HBs抗原が陽性とわかったら、さらに詳しいウイルスの検査を行って、治療が必要かどうかを決めます。

HCV抗体は、C型肝炎ウイルスに対する免疫を検査します。

以前感染していたけれど、今は感染していない場合(既往感染)も、ウイルスに対する免疫が体のなかに残っていますので、陽性にでることがあります。

HCV抗体が陽性の場合、現在の感染なのか、過去の感染なのか、判定が難しいことがあるので、ウイルスを直接測定する検査を行い、確定診断を行う必要があります。

まとめると、

・HBs抗原が陽性なら、B型肝炎ウイルスが現在、感染している可能性が高い。

・HCV抗体が陽性なら、C型肝炎ウイルスが感染しているか、過去に感染した可能性がある。

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