高齢者の入浴事故、ヒートショックに注意

ヒートショック

入浴中の高齢者の急死が増えています。

年間に1万人以上の高齢者が、入浴中に急死しています。とくに、1月をピークとして冬の時期に多くなります。事故は、自立して生活している高齢者が、一人で入浴しているときに多くみられます。原因と考えられているのが、ヒートショックです。

ヒートショックとは、急激な温度変化で体に大きな影響を受けることです。

とくに、冬場は、浴室とリビングや、トイレと寝室の温度差が大きいため、体への負担が大きくなります。冬の寒い脱衣室や浴室では血管が縮んで血圧が上昇します。その後、熱いお湯につかると血管が広がり血圧が急激に下がります。温度差が激しいほど、血圧が急に上がり下がりするために、血液の流れが悪くなりやすくなります。また、脱水によって血液がドロドロになります。その結果、心臓の血管がつまって心筋梗塞、脳の血管がつまったり、破裂して脳卒中を引き起こすことがあります。

ヒートショックを起こさないために

  • 入浴の前に、脱衣所やトイレに暖房をいれたり、浴槽のふたをあけたり、シャワーを使って浴室を暖めたりして、温度差を減らす工夫をしよう。
  • 入浴は41度以下のぬるめのお湯に入り、長湯をしない、浴槽に浸かる時間は10分以内。
  • 浴槽から急に立ち上がったり、肩まで風呂につかると、水圧がかかって血管が細くなり、血圧の変動が大きくなるので、心臓に負担がかかるので注意。心臓病や高血圧の人は、肩まで風呂につからずに、半身浴がおすすめ。
  • 肩が寒いときは、お湯にぬらしたタオルをかけておく。
  • 入浴中には、気づかないうちに脱水になりやすいので、水分補給を忘れないように。
  • 飲酒後の入浴は事故死につながる危険があります。自律神経のバランスがくずれやすい食直後や、気温の低い深夜の入浴は避けましょう。

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