頻尿と間質性膀胱炎

腹痛

内科の外来に通院中の患者さんがひどい頻尿を訴えていた。尿検査では異常はなかったので、頻尿の改善薬を投与して経過をみていた。その患者さんが別の病院の泌尿器科で徹底的に検査したら「間質性膀胱炎」と診断されたらしい。間質性膀胱炎? 内科医の私には、あまり聞き慣れない病名だった。

間質性膀胱炎を調べてみると

間質性膀胱炎は、膀胱が線維化をおこし(硬くなり)、膀胱の容量が減って尿をしっかりためることができずに、尿の回数が増えたり、尿がたまると痛んだりする病気です。通常の治療に反応しないため、心因性の頻尿と診断されてしまうこともあります。

中高年の女性に多く、発生頻度は女性10000人に2人、男性の10倍以上といわれています。原因は不明ですが、アレルギー疾患、自己免疫疾患などに合併することがあります。

診断は、膀胱鏡検査で行い、ハンナ病変(正常の毛細血管構造を欠く特有の発赤粘膜)または、膀胱を水で充満させた後にみられる点状の粘膜下出血が特徴です。

治療は、内視鏡を使い膀胱を水圧で拡張したり、膀胱内にヘパリン、DSMO、ステロイドなどの薬を注入したりする方法があります。長期的に効果がみられることは少なく、再治療や追加治療が必要になります。

<参考> 日本間質性膀胱炎研究会HP(2020年5月21日閲覧)

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