食後の血液はドロドロ

動脈硬化

採血の検査があるときは、朝食は抜いてくるのが当たり前。患者さんも、検査をする側もそうしてきたので、血液検査の数値は、たいてい空腹時採血の結果をもとにしている。ところが、実は、食後の採血検査も大事なことがわかってきた。

糖尿病やメタボリックシンドロームの患者さんには、食後、中性脂肪や悪玉コレステロールの数値が、極端に上がってくる人がいる。これを、食後高脂血症という。

食後の血糖値が高い人も多く、これは、食後高血糖。

こうした食後の高脂血症や高血糖が、動脈硬化を進行させる大きなリスクであることがわかってきた。

ところが、病院での採血は食前、空腹時に採血することが多いので、食後の異常がわからないままになっているのだ。

血液中の脂質は、食事をする3-4時間で増え、徐々に減っていく。その頃には、次の食事の時間がくるので、結局、1日の大半は、食後。空腹となるのは、夜間から朝にかけてのわずかな時間である。空腹時の検査は、いつもの時間帯よりは、だいぶ良い数字になっている。

そこで、食後に脂質や血糖が上昇している可能性がある患者さんには、採血をする日に、食事をしてきてもらうことがある。採血の日は、食事抜きと思い込んでいる患者さんからは、けげんな顔をされることがあるが、こういう事情なのだ。

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