閉塞性動脈硬化症(ASO)

動脈硬化によって、十分に血液が流れなくなる病気を、閉塞性動脈硬化症といいます。英語では、arteriosclerosis obliterans、ASOと略します。

喫煙や、糖尿病、高血圧、脂質異常などの動脈硬化リスクの大きい、50歳以上の男性によく起こります。

とくに、足の血管がつまると、特徴的な症状があらわれます。

病気の進行に伴って起きる典型的な症状を、Fontaine(フォンテイン)分類といい、1度から4度までの4段階があり、4度はもっとも重症です。

1度:冷感・しびれ
激しい運動をしたり、長く歩いた後に、足のしびれや冷感を感じます。
症状はすぐに消失し、普段は症状がありません。

2度:間欠性跛行(はこう)
一定の距離を歩くと、足の筋肉が痛くなったり、固くなったりして、それ以上歩けなくなります。しばらく休むと、また、歩けるようになります。

3度:安静時疼痛
安静にしていても、痛みが起こるようになります。

4度:潰瘍・壊死
足の指先などの皮膚が黒く変色し、深い傷ができます。細菌が感染しやすく、重症化すると危険な状態になります。

最も簡単な検査は、医師が実際に体の表面から、動脈を触れてみることです。つまっている血管を、ある程度、診断することが可能です。

手と足の血圧の差を検査するABIも簡単な検査です。正常値は1.0-1.3で、0.9以下は血液の流れが低下しています。0.4以下は、重症です。

さらに、超音波検査、MRI、CTなどで、実際に血管がつまっている様子を検査します。

症状が軽度なときは、運動療法と薬物療法を行います。

運動療法は、歩行運動が基本になりますが、医師と相談しながら、適度な距離を運動することが重要です。

薬物療法には、血液の流れを良くしたり、血管を広げる薬があるが、合併している病気によって選択する必要があります。

動脈の閉塞が進行すれば、外科手術が必要になります。

動脈硬化のリスクになる、糖尿病、高血圧、脂質異常の治療、禁煙が重要であることは、当然です。
 

2 件のコメント

    • 太良木さん、コメントありがとうございます。
      ASOだから、手術ができないということはありませんが、
      ASOの方は、糖尿病、高血圧、脂質異常などを合併していることが多く、
      手術のリスクは高くなると思います。

      血管の状態や、合併症の程度など、総合的に考えて、
      手術が可能かどうかを決定します。

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