熱中症の症状と対策

熱中症の症状

はじめは、めまいや立ちくらみ、
しだいに、頭痛や吐き気、
ひどくなると、意識がもうろうとなり、危険な状態になります。

熱中症は、軽症から重症まで3段階に分かれます。

Ⅰ度(軽症):
めまい、たちくらみ、筋肉痛、こむら返り、汗をふいてもふいても出てくる

Ⅱ度(中等症):
頭痛、吐き気、嘔吐、全身のだるさ、暑いのに汗が出にくくなる

Ⅲ度(重症):
意識がもうろうとする、けいれん、体温が40度以上になる

Ⅱ度以上の熱中症は、医療機関の受診が必要です。水分をとっても、頭痛や吐き気がなくならないときは、医師の診察を受けましょう。

熱中症になりやすい日は、暑さ指数(WBGT)が高い日です。

暑さ指数(WBGT)とは、気温、湿度、風、日差しや照り返しなどの気象条件を組み合わせた指数で、熱中症の発生とよく関係する数値です。知恵と情報を使い、暑さ指数にあわせた対策で、暑い夏を乗り切りましょう。

<参考> 環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数」 http://www.wbgt.env.go.jp/

日常生活に関する指針

温度基準(WBGT)注意すべき生活活動の目安注意事項
危険(31℃以上)すべての生活活動でおこる危険性高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。
厳重警戒(28~31℃※)すべての生活活動でおこる危険性外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。
警戒(25~28℃※)中等度以上の生活活動でおこる危険性運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。
注意(25℃未満)強い生活活動でおこる危険性一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

*(28~31℃)及び(25~28℃)については、それぞれ28℃以上31℃未満、25℃以上28℃未満を示します。

日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.4」(2022)

運動に関する指針

気温 

WBGT温度

熱中症予防運動指針

35℃以上

31℃以上

運動は原則中止

WBGT31℃以上では、特別の場合以外は運動を中止する。特に子どもの場合は中止すべき。

31~35℃

28~31℃

厳重警戒(激しい運動は中止)

熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。運動する場合には、10-20分おきに休息をとり、水分・塩分を補給する。

体力の低い人、暑さになれていない人は運動を軽減または中止。

28~31℃

25~28℃

警戒(積極的に休息)

熱中症の危険が増すので、積極的に休息をとり、適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休息をとる。

24~28℃

21~25℃

注意(積極的に水分補給)

熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。

24℃未満

21℃未満

ほぼ安全(適宜水分補給)

通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意。

日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)

熱中症の応急処置

熱中症は、できるだけ速やかに対応することが重要です。とくに、意識障害があるときは、重症のサインです。

熱中症の応急処置は、FIRE!

F(fluid):水分と塩分の補給

経口摂取が可能であれば、水やスポーツドリンクとともに塩分をとる。
・水1Lに、砂糖大さじ4杯、食塩小さじ半分を加える。
・スポーツドリンク1Lに、食塩小さじ半分を加える。

I(ice);身体の冷却

できるかぎり衣類をゆるめるか、脱がせる。
水をスプレーし、うちわや扇風機で風を送る。
アイスバッグや冷えたペットボトルを、首筋、腋の下、股などにあてる。
冷水につける方法もあるが、顔面が水につからないように細心の注意が必要。

R(rest):安静

日陰、風通しのいいところ、冷房のきいた部屋などへ移動させる。
誤嚥を防ぎ、体表面の露出が多くなる、側臥位(横向き)にする。

E(emergency):緊急事態の認識

大きな声で呼びかけ、反応を確かめる。
名前や日付、場所がわからない。
ぼーっとしている、言動がおかしい、不穏などの症状があれば、
重症のサインなので、ためらわずに救急車を呼ぶ(119番通報)

参考
環境省「熱中症予防情報サイト」
消防庁 「熱中症情報」
厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」
日本救急医学会「熱中症診療ガイドライン2015」
厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」

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