外来にやってくる高齢の患者さんの中には、「私は、いつ死んでもいい」と繰り返し話して帰る人がいます。その割には、検査の結果を気にし、だされた薬はきちんと飲んでいるのですが。
「いつ死んでもいい」と言うのは、「まだ死なない」と思っているからでしょう。
90歳の肺気腫の末期の患者さんが、「この歳になっても、やっぱり死にたくない」と呟いていたことを思い出しました。90歳でも、100歳でも、誰でも死にたくはありません。
これもよく言われるのが、「ころっと死にたい」というセリフです。
いつかは死ぬなら、苦しまずに死にたい。私も身内の死を間近にみる歳になり、漠然とそう思うようになりました。病気を抱えて、捨て鉢に「ころっと死にたい」という人もいます。
そんなときは、「ころっと死ぬには、元気に過ごすことが大事ですよ。」と話をします。
体に気をつけて、最後まで元気に過ごした人は、ころりと死ねる人が多い。元気で死ぬためには、元気に生きていかなくてはいけない。
私の経験則です。
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