過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)

過呼吸

極度の不安や緊張によって、呼吸を速く、深く繰り返すようになり(過呼吸)、息苦しさや、手足のしびれや筋肉のけいれんなどの症状を訴えます。若い女性に多い病気です。

過呼吸になると、血液中の酸素が増え、二酸化炭素が減ることで、血液がアルカリ性に傾いて(アルカローシス)、カルシウム濃度が低くなり、手足のしびれなどが起こります。この症状を、テタニーといいます。ひどくなると、筋肉が収縮したまま固まったようになります。

しびれなどの症状があらわれると、さらに不安が強くなり、過呼吸を繰り返し、症状が悪化していきます。

過換気症候群は、よく見かける病気で、過呼吸があり、手足のしびれなどの症状を訴える場合、診断は容易につきます。

患者さんは、パニック状態でやってきますので、気持ちを落ちつかせて、ゆっくり息をするように指導することで、症状は自然によくなります。

不安が強い患者さんには抗不安薬などの投与を行ったり、テタニーの強い患者さんにはカルシウムの点滴を行うことがあります。

パニック障害や、不安神経症、うつ病などが原因になっていることがありますので、発作を繰り返す場合などは、精神科や心療内科への受診をおすすめします。

<参考>
日本呼吸器学会HP「過換気症候群」(2020年5月20日閲覧)

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